永田親義「がんは、なぜ生じるか」
2008年12月2日 by KISK事務局
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[著者]1922年鹿児島県生まれ。京都大学工学部卒。福井謙一博士の研究室にて量子化学専攻。国立がんセンター生物物理部長を経て基礎化学研究所評議員。
[著書]「新しい量子生物学」「活性酸素の話」(いずれもBLUEBACKS)
[コメント]がん研究のこれまでの経緯と現状を分かりやすく説明された好著である。がんとは何か、がんを発生させる物質は何か、がん発生のプロセス、メカニズムはどのように考えられるか、よく理解ができる。
注目すべきは、新説の「がん幹細胞説」である。未分化の幹細胞ががん化するという説で、現在のところ主流ではないが、がんが多種多様で、治療も一筋縄では太刀打ちできないことが説明しやすい。がんの薬剤耐性や放射線抵抗性もよく理解できる。がん幹細胞は、ごく少数でがんをつくる強い活力をもっており、これが再発や転移の可能性を高めている。がん幹細胞を標的にした治療法の開発が待たれる。
また酸素ラジカルによる酸化ストレスが、がんの大きな原因になっていることは、がんの予防を考える上で、重視すべきことである。抗酸化剤の活用その他酸化ストレスを軽減することが有効であることが理論的により明らかになれば、がん予防策も一段と効果的になるである。
[ロケーション](位置付け)「健康ナビ」各論C「抗酸化作用」(活性酸素の除去)
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