第40回(7月)定例会報告(メモ)
2011年7月28日 by KISK事務局
第40回定例会は7月26日(火)、国際医療福祉大学大学院のホールにて開催。暑さのせいか少なめの参加者でしたが、熱が入りかなり時間を延長して終了となりました。
1. 梶原代表中間報告
情報の共有として、6月の定例会の報告の一部として、上海の心身機能活性療法を利用した認知
症治療の様子をNHKワールドが放映したこと、7月の定例会の講演、講師の紹介、8月の定例会の予定、内容の紹介などがありました。
また、自衛策として、「頭の健康法」未定稿を8月定例会で配付、心
身バランス計の開発状況、および、理想農法研究会の活動の一環として、世界的に食糧需要が激増するのに比べ、異常気象や投機資金の流入により生産拡大が伴わず、食
糧パニックのリスクがあること、市民として食の安全・安心を守る必要
性を訴えて行こうという話がありました。
2.「民間医療保険のいろは」
花井康行様 アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)商品開発部調査役
梶原代表から日本のガン保険のパイオニアであるアフラックの大竹美喜最高顧問には当会の三者構成の医療改革懇談会の座長を
お願いしているが、花井講師はその最先端の保険商品の開発を担当されているとの紹介のあと、颯爽とした花井講師の保険制度の
基本を含む幅広い講演が始まりました。1947年我が国最初のガン保険を発売したが最初はガンは縁起が悪いと消極の時期もあった
が、治療法の飛躍的向上に伴い普及し、現在は医療保険・介護保険・死亡保険の分野で契約2000万件は生命保険ではNO1である。
私はその商品開発・「ない保険」を考え、保険料試算や制度のルールを決めたりの担当をしている。本日は保険を選ぶポイントを話す。社会背景としては進む高齢化と人口減少社会があり労働力人口は55%に。総人口は現在の1億2750万人が10年後には1.23億人に減少。20年前と10後の人口構成比は0-19歳の26%が15%に、20-64歳は61%が55%に、65-74歳は7%が14%に、75歳以上は5%が19%に。社会保障給付費は平成20年度で94兆円うち高齢者70%(年金74%医療16%福祉10%)、財源は社会保険料57%公費負担32%。国民医療費35兆円、65歳以上は人口で22%、国民医療費で55%。国民一人の医療費は75歳以上は年83万円、65歳以上は67万円、65歳未満は16万円、平均27万円。長寿(後期高齢者)の医療財源の公費は約5割の5.5兆円(うち国と県と市町村は4:1:1で負担)。その負担の1割分は高齢者負担、残り4割分の5.0兆円は0-74歳の保険料からの支援。後期高齢者の負担の現状は説明不足と思う。「公的医療保険(健康保険)」の分類では①保険適用の標準診療(診察検査投薬入院等)は一部自己負担、②評価診療(先進医療や治験診療)と③選定診療(差額ベット等)は全額自己負担(一部混合診療が認められる)。この自己負担割合は高位所得者は全て3
割、一般低所得者は69歳未満3割(義務教育1割)・70-74歳2割(24-3迄1割)・75歳1割である。
また高額療養費制度があり70歳未満と以上で、また所得により差があり申請主義なので良く研究しておくことが大切。入院した場合の高額療養費制度適用後の1日当たりの自己負担額の平均は16,000円。
さて「民間保険の仕組み」は、任意であり、固有の仕組みである。皆で拠出し皆で補填しあう制度で、民間の場合は同一世代の中での助け合い制度であり、世代間の補填はない。この点は世代間を越えた助け合いの公的医療保険とは異なる。「保険の選択」にあたっての重要な確認事項には「保障(保障内容と保障額)」「引受条件(健常者向けと既往者向け)」
「保険期間」「保険料払込期間」「解約払戻金の有無」がある。保障領域は「医療領域」として病気の治療(疾病保障)とケガの
治療(災害保障)があり、双方の場合は「医療保険」、ケガの治療だけなら「傷害保険」、特定の疾病のみの「がん保険」等が
ある。「介護領域」は病気・ケガによる身体の状態が対象で歩行・食事・排泄等ができない等に対応。「一般的な医療保険の
例」としては「入院」1日目―60日目まで通算1095日・一日1万円、「手術」一回10万円、「通院」退院後120日間に30日分迄通算1095日一日6千円等がある。具体的には80歳までの人生を応援する「長期補償傷害保険」(葬儀費用・親族かけつけ費用・賠償責任保障・満期お祝い金等もある)や「総合保障2型」(掛け金同一で18-60歳と60-65歳で入院通院後遺障害死亡の保障額に差)や「熟年2型」(掛け金同一で60-70歳と70-80歳と80-85歳で入院後遺障害死亡に保障額に差)等がある。本日は一般論だけお話しした。会場の質問「請求主義だが支払いは迅速に」「高齢化社会で一生、安心して長寿を全うできる保険・例えば高齢者でも全く医療保険に世話にならなかつた元気者や自己健康管理に努力した人には保険料安くするとかを」には、年齢が同じだと原則リスク率が同じになるが、例えば米国は一年毎の保険が多く、日本では長期の保険が多いとか国民性やバランスを考えることは大切で、努力を組入れる研究はしてみたい。と締めくくられ、会場から拍手喝采。
3.栄養士さんのワンポイントレツスン ②「ミネラルの話」
福地かつ美様 ら・べるびぃ予防医学研究所取締役・管理栄養士
5月の「脳機能を健やかに」に続き本日は「毛髪ミネラル検査」での体内の栄養状況の把握とその活用、そして最後に放射能物質への対応にも触れたい。この検査は毛髪1cmを束ねた試料を洗浄溶解し測定器ICP-MSでミネラルの蓄積を測定する。毛髪は1月に1cm伸びその中に体中のミネラルの現況が蓄積される。保険対象ではないが、体の現状と栄養状況が分かる。「ミネラル」は五大栄養素の一つで体を調整する[補注:炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミンと五大栄養素。有機物に含まれる元素の炭素水素窒素酸素以外の生体に欠かせない元素を栄養学でミネラル(無機質)という]。「必須ミネラル」はNa K Ca Mg Fe Cu Zn等。バラスを崩すと問題。過剰でも欠乏でもいけない。「有害ミネラル」はPb Hg As Cd Al等。人体に蓄積すると問題・解毒排泄が必要。Hgは海水とマ
グロ等の魚からだが排泄が大切。10年の蓄積が毛髪で分かるが米国は低く、日本は高い。食品成分推移比較表では人参やホウレンソウで1950年値より2005年値
はビタミンA・Cや鉄分で70-80%減と大幅に含有量が減少している。一日20品目とか言われるが精製・調理・削ぎ落とし・熱
処理で減少し、不足もある。有害ミネラルは60兆個の細胞への影響を修正できないと問題が。排泄や代謝しないと酵素やホルモ
ンにも影響。また活性酸素が細胞を傷つけることも。疲れやすい体に。Cd、 Pbは腎臓に蓄積すると弱いところに影響。必須ミネ
ラルが不足するとMgでは生活習慣病、Caでは骨粗鬆症に。有害ミネラル排泄促進食品としては軽減ミネラルのZn、Mg、Ca等、サポート栄養素でビタミンBCDE等や硫化アリル(匂いのある)にんにくネギ等やイソチオシアナート(からみの)大根わさびブロッコリー等や食物繊維が大切。マグロもわさびやショウガが良い。腸の吸収、腸内調整、発酵、排泄を。水銀は年齢で蓄積する。BMI肥満児も毛髪検査が効果。検査は26元素。有害金属6・必須ミネラルと参考ミネラル20。ミネラル年齢も分かかり、バランスの崩れから考えられる症状や栄養素と献立のアドバイスも。免疫機能の低下への対応や抗酸化作用の活用も。
次に放射能対応。まず体内に入れない。調理時によく洗う根元やひだで6-7割減・アク抜き茹でる・塩分や酢の活用浸透圧で排泄。植物繊維の腸管調整。ヨウ素は甲状腺に集まりやすいので通常摂取量が多いと問題のヨウ素は集積しない。元素周期表から最外周の電子数が同じセシウムはカリウムの性質に近いのでKをきちっと食していれば間違った集積はせず、ストロンチウムはCaの性質に近いのでCaをきちっと食していれば間違っての集積はないのではとの考えも。また内部被曝の予防には免疫力を高めるβグルカンきのこ等・イオウ化合物わさび等・プロバイオテイクス納豆等の摂取や抗酸化作用のある赤橙緑紫黒白色の様々な色の食品を摂ろう。まとめに疾病予防への期待と毛髪ミネラル検査の意義を再度強調され熱のこもった日常的に最重要な食の大講話に会場の拍手喝采が続きました。梶原代表から市民の目線のサプリメントの基準への発言も。講師は自己にあった組合わせを作る重要性を指摘されビタミンDCAをしっかり摂取しようと締めくくられました。ありがとうございました。
講演の後で、抽選で、参加者の中から2名に毛髪ミネラル検査をプレゼント。その場で、当選者の毛髪サンプルを採取されました。有料でも毛髪ミネラル検査をしたいという方がおられましたら、別紙定例会参加申込書に申込用紙希望の欄があります。
4.「東日本大震災ハエ駆除感染症予防防疫について」平田孝子様 感染症情報センター
急なことでしたが平田孝子様が登壇され次のお話がありました。東日本大震災の現地でハエの駆除が問題になっている。私も香りの専門家としてこれに参画している。特に夏場は異常発生する。日本にはハエの専門家は5人しかいない。自衛隊はインドネシアやハイチの地震地帯の復興に従事してノウハウがあると思われる。管総理の財政支援の国会発言もあった。NPOで東日本大震災ハエ駆除感染症予防防疫啓発普及の組織を立ち上げる予定なのでご理解をよろしく。
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