情報チップ集(別冊)
2012年2月22日 by KISK事務局
~病気は自分で治す~
<賢い市民学「人体情報学」の実践>
2012・2・13
健康医療市民会議 代表 梶原 拓
(別冊)
第5 情報チップ集 2~47
第6 参考図書 48
第5 情報チップ集
(健康な体を)(斎藤・実践編)
健康な体を手にするために本当に大切なのはここから、、、
私は、ものごとはすべて三つの段階を経てなしとげられるものだと思っています。
第一段階は気づくこと。
第二段階は考えること。
そして、第三段階は、実行することです。
どんな知識もただ知っているだけでは何も変わりません。得た知識をどうすれば自分の生活に生かすことができるのかを考え、その考えを実行して初めて本当に役立つものとなるのです。
(抗生物質が効かない)
「マイコプラズマ肺炎患者急増」「抗生物質耐性菌 増加か 厚労省 病原体集め実態調査へ」(2012・01・20日経)
これまで西洋医学はペニシリンなど、感染症の治療に大きな成果を挙げてきたが、ウイルスや細菌との戦いでは、次々と耐性菌が出てきて、抗生物質の開発が間に合わなくなってきた。たとえば、抗がん剤などで免疫力が低下したところで、院内感染で肺炎を併発し、耐性菌のため、なす術もなく亡くなるケースが増えてきている。
*「マイコプラズマ肺炎」マイコプラズマという細菌による呼吸器感染症で発熱から徐々にせきが強くなり、熱が下がった後もせきが3~4週間続くのが特徴。多くは感染しても気管支炎などの軽い症状で、一部は重い肺炎になる。患者の8割は14歳以下だが、昨秋の天皇陛下のように高齢者など成人も感染する。以前は大きな流行が4年の1度のため「オリンピック病」とも呼ばれていたが、2000年以降は患者の報告数が多い状態が続いている。(日経)
これまで感染症の制圧に威力を発揮してきた西洋医学ではあるが、このようにウイルスや細菌との戦いで不利になれば、医師や病院に「お任せ」では、自分たちの命を守れなくなる。新た抗生物質の開発に期待したいが、長くは待てないし、新薬もいつかはウイルスや細菌側が耐性を持ってしまう。
とすれば、患者側の我々が細菌やウイルスと戦う力を強化するほかない。人間が本来有している「自然治癒力」とか「免疫力」は、現在の日本では大学の医学部の教科書でも重視されていないと聞く。
西洋医学の祖といわれる古代ギリシャの医学者ヒポクラテスは「病気は医者が治すのではなく、患者が治すものである」と説いたが、現代の西洋医学は、「営業本位」もあってか、患者自身の「回復力」,「自然治癒力」とか「免疫力」を殆ど無視してしまった。
西洋医学自体が、こうした人間本来の「恒常性保持機能」(ホメオスタシス)、「自然治癒力」「免疫力」などを再確認して、これらを医療のシステムの中に組み込んでもらいたい。医学教育を再構築すべきである。
(フリーラジカル)(斎藤・実践編)
フリーラジカルは、ミトコンドリアがつくりだすものだけでなく、、、、「紫外線」も皮膚に当たると、皮膚の中でフリーラジカルが発生します。、、、
お酒とたばこは低体温をつくりだす最悪の生活習慣だと述べましたが、この二つはフリーラジカルを体内に発生させる意味でも最悪の生活習慣です。、、、
お酒の場合、アルコールの分解過程で生じる「アセトアルデヒド」という物質は、まさに猛毒です。この猛毒を分解するときに大量のフリーラジカルが発生します。
お酒やタバコ、紫外線のほかにもフリーラジカルを発生させるものはたくさんあります。内臓脂肪の蓄積やストレス、食品添加物や残留農薬の摂取によってもフリーラジカルは発生します。
そうしたさまざまな要因の中で、とくに注意を促したいものが一つあります。
それは電磁波です。
子どもに携帯電話を使わせることに危機感を持っていないのは、先進国といわれる國の中では日本だけといっても過言ではありません。
地下鉄の中は、大げさに例えれば、電子レンジの中にいるようなものなのです。コンクリートで覆われて狭い地下空間で電磁波が反響するからです。
そんな地下鉄よりさらに悪いのが飛行機です。
飛行機では電磁波も発生しますが、さらに自然被曝というリスクがあるからです。
飛行機で被曝するという事実は、やはり欧米では常識です。
放射線も電磁波同様、DNAに直接作用しコピーミス(ガンの危険)を起こさせます。
{治癒力}
(主な自然治癒現象)(石原)
1 出血の自然治癒
血液中を流れている時の血小板の表面は平滑であるが、体内のどこかで「出血」が起こると、表面に無数の突起を出し、同時に、「細胞接着因子」の受容体を作り、血管の内皮細胞に接着し、血小板同士も凝集して、傷口を塞いでしまう。そこに、血液中に存在するフィブリンや赤血球もくっついて、さらに強固な血栓ができ上がり、止血が完了する。
2 創傷(キズ)の自然治癒
重度のキズ「創」や軽度のキズ「傷」が生じると、血小板が患部に凝集してきて、同時に血管も収縮して、止血が行われる。並行して、マクロファージ(白血球の一種)によって、破壊された組織が貪食処理される。
マクロファージは、さらに、サイトカイン(生理活性物質)を分泌して、繊維芽細胞が、傷口を修復するのに一番大切なコラーゲン(膠原繊維)を産生するように働きかける。
このコラーゲンが中心となって、肉芽組織ができ、やがて瘢痕組織へ変化して、創傷によりできが欠損部を埋めて、創傷が治ってくる。
3 骨折の自然治癒
骨には、骨を作る骨芽細胞と骨を破壊する破骨細胞とがあり、破骨細胞は古い骨を壊し、骨芽細胞が新しい骨を作ることにより、終生、骨は新しく作り変えられている。
骨は、この骨芽細胞、タンパク質、繊維質(結合組織)、カルシウム、リンなどの種々のミネラルなどでできている。
骨折が起こると、その直後から、炎症期とともに、治癒過程が開始する。
(1)炎症期 骨折により損傷を受けた骨膜や骨皮質、骨のカケラ、骨髄の血管から出血した血液が、血腫となり、血管をふさいで出血を止めるとともにそのご、血塊となって折れた骨の隙間を埋める。
この血塊が、白血球のマクロファージによって貪食処理され始めると、患部への血流の増加によって、骨折部位の周囲は腫れてくる。
(2)修復期 両骨折端の骨膜では、骨芽細胞がたくさん集まり、分裂を開始する。そこにカルシュウムなどが沈着し、骨になるが、これを「仮骨」という。
(3)再造形期 仮骨ができると、破骨細胞の活動が活発になり、骨折によって生じた変形の凸側の部分の骨は壊され、凹側の部分では、骨芽細胞によって骨増殖が生じて、元の形に整えておく。
このほかにも、人体内では、日中の活動によって生じた種々の器官、組織、細胞の損傷や、消耗したホルモンや酵素類の産生など、無数の「自然治癒」反応が営まれている。
人体を構成する60兆個の細胞や
人体内で数千、数万と行われている化学反応を触媒する酵素や大部分のホルモン類も
タンパク質から成っているので、「自然治癒力」を強めるには、「タンパク質」の質が重要になってくる。、、、
また、細胞の修復やホルモン、酵素類の産生を刺激して促すのが、成長ホルモンであり。
(自然治癒力を高める「HSP」)(石原)
「HSP」(熱ショック・タンパク質)は、熱というショックにより、細胞の中で作られるタンパク質ではあるが、実は人体を構成する60兆個の、どの細胞の中にも存在している。
熱に限らず、疲労や筋肉痛、、、種々の病気、手術や飢餓、、、等々、心身に負担(ストレス)が加わると、体内の細胞を構成するタンパク質は障害され、その時、障害された細胞は、自ら「HSP」を作って、タンパク質やその細胞を修復する。、、、
HSPは、ガン細胞をやっつけるNK細胞、さらにT細胞を活性化させたり、ガン細胞のアポトーシスを促して、ガンを消滅させたりもする。
つまり、「自然治癒力」にとって一番大切なものは「HSP」と言うことができよう。
「HSP」を増やすには
週2回、40~41度Cのやや熱め(慣れてきたら42度C)の風呂に10分入浴
週5回、自分の好きな湯温で入浴し、リラックス
するとよい、という。、、、
なお、HSPを増加させる物質として、ウコン(クルクミン)、カプサイシン、紅花、おうごん、山茱萸などが知られていりが、鎮痛・解熱剤のアスピリンもその働きがある、というのは驚きである。
(生体の持つ三つの防御機構)(石原)
もともと「免疫」とは文字通り「疫=病気を免れる」という意味であり、生体が生れつきもっている、病気に対抗する能力を免疫脳という。
病原体または病原となる物質に対抗するために、生体は次の三つの防御機構(免疫機構)をもっている。
1 体表(皮膚)
病原菌を物理的に阻止する。また、皮膚から酸性液を分泌することにより、病原菌が感染するのを阻止する。
2 臓器からの殺菌物質の分泌
胃腸、呼吸器(鼻、のど、気管)、泌尿生殖器(尿道、膀胱、前立腺、、、)などから、IgA(免疫抗体)、リゾチームなどの殺菌物質を分泌する。
3 細網内皮系、血液中の白血球、抗体
全身の細網内皮系(リンパ節、脾臓、肝臓などにある、病原体などの異物を貪食する組織の総称)、及び、血流中の白血球、抗体(免疫グロブリン)。
(「自然免疫」と「獲得免疫」)(新谷)
免疫とは、体内に侵入した病原体や異物などの外敵をはねのけるじぅつかのための防御機能のことをいいます。「病気に対する抵抗力」という言葉に置き換えてもいいでしょう
1 「自然免疫」 免疫細胞よりもっと古い時代から引き継がれてきた、先天的な免疫機能です。私たちの細胞のひとつひとつに、自然免疫機能が備わっている、、、
この自然免疫がきちんと働かない限り、免疫細胞である白血球も十分に働くことができません。つまり細胞ひとつひとつの免疫機能=自然免疫が活性化しない限り、私たちは元気になれないのです。
2 白血球のリンパ球によって行われる免疫機能は、生物が脊椎動物に進化してから獲得された機能です。新たに獲得された免疫機能ということで「獲得免疫」と呼ばれています。
体内に病原体が侵入してきたさい、細胞内のセンサー機能が反応し、すぐさま抗菌物質や抗ウイルス物質が分泌されます。この働きはターゲットにされた細胞だけの反応ではありません。センサーの働きで、まわりの細胞にも危険が知らされるため、あちこちの細胞から病原体に向けて一斉に、抗菌・抗ウイルス物質が放出されます。
マクロファージやリンパ球のような免疫細胞が働くのは、こうした初期段階の病原体に対する防衛活動が収まったあとの段階です。つまり初期段階でしっかり防衛できていれば、菌やウイルスで引き起こされる感染症などは、防ぐことができるということになります。
(自然免疫力)(新谷)
私たちの体は、60兆もの細胞によって成り立っています。この細胞のひとつひとつが元気に活動していることが、自然免疫力のアップにつながります。
細胞の内部には、私たちが活動するためのエネルギーを生み出す、ミトコンドリアという器官が点在しています。私たちが食べ物から摂取した栄養素や、呼吸によって取り込んだ酸素は、最終的にミトコンドリアに運ばれて、エネルギーに変換されます。
今免疫力が低下している人が目立っているのは、ミトコンドリアの活動を邪魔するものが、細胞内に存在するからです。それを私は、細胞内の「ゴミ」と呼んでいます。細胞のひとつひとつを部屋にたとえると、ゴミのたまった部屋に暮らしていることになります。ゴミの部屋の中にあるエネルギー装置=ミトコンドリアは、きちんと働いてくれません。細胞の健康を取り戻すためには、まずゴミだらけの部屋を掃除する必要があります。自然免疫力を高めるためには、細胞内の掃除が欠かせないのです。
このゴミの正体の多くは、使いものにならない「できそこないのたんぱく質」です。食事から摂取された栄養素は、腸で消化吸収され、血液を通じて全身の細胞に運ばれていきます。たんぱく質はこうした栄養素のひとつで、小腸でいったんアミノ酸に分解され、細胞で新しいたんぱく質に合成されます。
このたんぱく質の合成の過程で、たくさんの不良品ができてしまうのです。ゴミを生み出す最大の原因は、肉類や牛乳・乳製品など、動物性食品を中心とした食事です。私たち現代人の多くは、細胞の中に十分分解されないままのゴミを、たくさん抱え込んでいるのです。
(酵素の働き)((新谷)
では細胞内のゴミの掃除はどう進めればよいのでしょうか。そのカギは酵素にあります。酵素の働きによって、細胞内のゴミは取り除かれ、そのうえ再利用することも可能になってくるのです。
私たちの体内にある酵素は、代謝酵素と消化酵素、そして食物酵素の大きく三つに分けられます。
そのうち代謝酵素と消化酵素は体内酵素といい、私たちの体の中でつくられます。
1 代謝酵素とは、あらゆる生命活動にかかわる酵素のことです。免疫力や自然免疫力の向上、糖のエネルギー変換、脂肪の新陳代謝、解毒、排泄など、生きていくのに必要なすべての活動にかかわります。
2 消化酵素とは、食べ物の消化吸収に働く酵素のこと。食べたものを分解し、体が吸収しやすい物質に変える酵素です。消化酵素がなければ、栄養素を体内に取り入れることができないため、なによりも最優先でつくられます。
3 食物酵素は、外部から取り入れられる酵素です。生の食物に含まれていて、食物そのものを消化する働きがあります。
(ミラクル・エンザイム)(新谷)
私たち人間の生命活動を維持するためには、5000種類以上の体内酵素が必要です。なぜこれほどの種類が必要かというと、酵素はそれぞれがたったひとつの働きしかないからです。しかし私は、何千種類の体内酵素も、もともとはたったひとつの酵素の原型からつくられるのではないかと考えています。必要に応じてこのような酵素になれる可能性を持っている酵素です。これを「ミラクル・エンザイム」と名づけています。
私がさまざまな酵素の原型となるものがあるのではないかと考えたきっかけは、特定の場所で特定の酵素が多量に消費されると、体のほかの部分で酵素が欠乏するという事実に突き当たったからです。たとえば、大量のアルコールを飲み、肝臓でアルコール分解酵素が使われると、胃腸で必要な酵素がたりなくなってしまいます。
このことから、原型となる酵素先につくられ、それが必要に応じてつくり変えられ、必要な場所で使われているのではないかと考えたのです。
アメリカの酵素研究の第一人者であるエドワード・ハウエル博士は、生物が一生の間につくることのできる酵素の量は決まっているという、興味深い説を述べています。その一定量の酵素を「潜在酵素」と呼び、これを使いきったときが、その生命体の寿命のつきるときだ
というのです。この説は、私が主張するミラクル・エンザイム説と近いものです。
人が体内でつくりだせる酵素の量が決まっているのだとすれば、歳をとるにつれて、体内の酵素は減っていくことになります。したがって、酵素をいかに消耗させないで生活するかが、免疫力を高め、それを維持するための最良の策となります。
体内の酵素を消耗させるおもな原因は、消化、解毒、ストレスです。
1(酵素を消耗させる消化)(新谷)
食事のたびに消化酵素が使われます。消化酵素には、唾液の中にも含まれていて、炭水化物を分解するアミラーゼ、胃液に含まれていて、たんぱく質を分解するペプシんや脂肪を分解するリパーゼ、すい臓から分泌されるすい液に含まれていて、炭水化物を分解するトリプシン、小腸や大腸の腸液に含まれていて、炭水化物を分解するマルターゼやたんぱく質を分解するアミノペプチターゼなどがあります。
とりわけ、消化吸収器官である腸では、食事のたびに大量の消化酵素が消費されます。消化によって酵素が消耗するのを防ぐためには、食物酵素がたっぷり含まれている食品を食べることです。食べ物の中の食物酵素が、自ら消化を促進してくれるので、体内の消化酵素を節約することができるのです。
また、食べる量が増えるほど消化酵素はたくさん使われるので、食べすぎは、酵素をかなり消耗させてしまいます。よく噛まずに食べることも、消化酵素の消費につながります。
2(酵素を消耗させる解毒)(新谷)
解毒も体内の酵素を、大量に消耗させる原因となります。体にとって毒の要素、つまり解毒の必要があるものは、タバコやアルコールに含まれる化学物質、食品添加物、薬品、ウイルスや細菌、電磁波、汚れた空気や排気ガスなどがあげられます。
なかでもタバコとアルコールは、解毒のためにこうそが大量に浪費される、最悪の生活習慣です。、、、
また、健康のためにと思って飲む薬も、体にとっては毒の一種です。一度服用すれば、その解毒のために、大量の体内の酵素が使われてしまいます。
3(酵素を消耗させるストレス)(新谷)
ストレスも、体内の酵素を消耗させる要因のひとつです。酵素は人間の生命エネルギーのすべてをつかさどっているので、当然、脳の活動にも酵素が使われていることになります。考えるということ自体が、脳の中で酵素が働いていることなのです。そのため、ストレスで脳が疲労すると、体内酵素を大量に消耗してしまいます。
不規則な食事や睡眠、夜更かし、過激な運動や運動不足は、脳にストレスがかかります。こうしたとき、体を正常な状態に戻そうとするために、酵素が使われるのです。
精神的なストレスも同様です。不満やぐち、嫉妬などのマイナス感情は、心が生み出す「毒」にほかなりません。こうした毒wの解毒するためにも、大量の酵素が使われます。
酵素の無駄遣いを防ぐためには、日常のストレスを極力減らし、脳の疲労を抑える努力が必要です。自然の摂理に即した、規則正しい生活を送ることで、心身ともに元気で若々しくなり、免疫力も高まるのです。
(血液中の白血球、抗体の働き)(石原)
白血球は、主に骨髄やリンパ節、胸腺などで作られて、血液中に出てくる。、、、血流に乗って体内を移動し、外敵の侵入に対して体を守る。いわば「軍隊」の役割をしていう。
細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入してくると、「マクロファージ」や「好中球」出撃して病原体うぃお貪食、殺傷して処理する。
しかし、自分たちの手に負えないほど(敵病原体)が多かったり、その力が強い場合、マクロファージが「ヘルパーT細胞」に、その旨を知らせる。
連絡を受けたヘルパーT細胞は、「B細胞」に抗体(免疫グロブリン)を作るよう指示すると同時に、「キラーT細胞」を出動させて、病原体を攻撃する。B細胞から作られた抗体は、ミサイルの如く、病原体を追撃してやっつける。
一匹狼的な「NK細胞」は、ウイルスや細菌に乗っ取られた(感染を受けた)細胞を殺傷して消滅させると同時に、マクロファージとともに病原体を攻撃する。
体内にガン細胞(のような異物)が発生すると、キラーT細胞やNK細胞が、ガン細胞を攻撃するして消滅させる。
このように病気と戦ってくれる免疫細胞(白血球)や抗体(免疫グロブリン)の他にも、白血球が作るサイトカイン(生理活性物質)が、最近注目されている。
サイトカインには、次のものがある。
1 インターロイキン マクロファージから分泌されるリンパ球を活性化させる物質
2 TNF マクロファージで作られ、腫瘍の増殖を阻止するほか、発熱、睡眠、食欲、痛みの発現、傷の治療、、、などに深くかかわっている。
3 インターフェロン ウイルスの増殖を抑える物質
(ストレスと免疫)(安保)
免疫とは、私たちの体に備わっている、ウイルスや細菌、ガン細胞などの攻撃を防御する働きのことで、血液中の主要成分の一つ、白血球が中心的な役割を担っています。
そのため白血球は防御機能とも呼ばれますが、様々な種類が存在し、それぞれが連携プレーをすることで、私たちの体は守られています。その代表が、顆粒球とリンパ球です。、、、
ここではインフルエンザがかかったときを例にとり、これらの白血球防衛部隊がどのように働くか、、、
まず、外界からインフルエンザウイルスが侵入してくるとマクロファージが出動し、ウイルスに感染した細胞を手当り次第食べていきます。しかし、それだけではすべてのウイルスに対応できないため、マクロファージがリンパ球に指令を出し、ウイルスを捕まえる抗体を作らせます。
この抗体がリンパ球の一つ、B細胞から発射され、病原体(抗原)であるウイルスを次々と凝集させ、絡めとっていくと、マクロファージや顆粒球がこれを最終的に食べて、体内に侵入した異物は駆逐されていくのです。
これを体の生理と重ね合わせると、体がだるく、熱が出ている状態はリンパ球が活躍している状態です。そうやって発熱し、体温を上げることで、リンパ球の働きを活性化していくのです。
これに対し、やがて熱が治まり、サラサラだった鼻水がネバネバと化膿しはじめ痰が出るようになるのは、顆粒球が後始末をしている証拠だいえます。ネバネバとした膿は、じつは戦った顆粒球たちの死骸でもあるのです。こうした顆粒球やリンパ球の法則は自律神経が支配、、、その法則は、、、、
交感神経優位 > アドレナリン分泌増加 >顆粒球が活性化 >
副交感神経優位 > アセチルコリン分泌増加 > リンパ球が活性化
ストレスがたまり、交感神経が緊張した状態では顆粒球が増加するのです。これは、交感神経が優位な日中は、活動する際に傷を負いやすく、傷口に細菌が侵入するケースが増えるということを意味します。顆粒球は、こうしたサイズが大きい細菌を捕食することが得意なのです。
一方、副交感神経が優位になる食事中や夜間は、ウイルスのような小さな異物が入ってきやすい傾向にあります。また、一日の活動で老朽化した細胞やガン細胞なども、夜の休息の時間帯に現れやすくなります。リンパ球には、ウイルスを抗体で撃退し、体内の新陳代謝を促す役割があるのです。
(ストレス回避も問題)(安保)
バランスが大事である以上、逆にストレスが少なくなりすぎても体にはよくありません。ストレスを回避することが、逆に病気につながる面もあるからです。
- わかりやすくいえば、ストレスがたまると交感神経が、ストレスが少ないと副交感神経が過剰に働くことになるのです。
働きすぎが低酸素・低体温の持続につながることはわかりますが、ストレスを回避してばかりいても代謝が抑制され、そn結果、低体温になりやすい面がある。そうなればリンパ球があっても働かず、免疫力は落ちてしまうでしょう。、、、
ストレスとは無縁の生活をしていそうな、のんびり、おっとりした人でもガンにかかることがあるのは、副交感神経に偏りすぎた生き方の結果、低酸素・低体温に陥ってしまったことを意味します。
また、こうしたのんびりしすぎの生き方をすると生活全般の能力低下が進み、日常生活そのものがストレスになってきます。、、、
おそらく病気になる人の七割は、ストレスを抱えすぎた交感神経緊張型といえますが、残りの三割はストレスのまったくない、それとは正反対の、副交感神経はの偏りが顕著なタイプであるでしょう。
(ガンを患う部位は?)
人によってガンを患う部位が違ってくるのは。「低酸素・低体温にさらされた場所がどこであったか」ということが関係しています。
たとえば、ストレスが重なって胃がキリキリ痛む人は、胃が低酸素・低体温にさらされているとも考えられます。この状態が持続すると胃の細胞の過剰分裂が始まりやがた胃ガンになるのです。
これと同様に考えれば、心配事で胸が塞がれてばかりいると肺ガンになり、おしゃべりな人は喉頭ガンになりやすいことがわかります。、、、
特定の部位を過剰に酷使したら、その部位を中心にストレスがたまり、低酸素・低体温に陥りやすくなる。言い換えれば、特定の部位がガン化するということは、自分自身の生き方の偏りがそうした形で現れているということです。
(女性が男性より長生きするのは?)(小林)
男性は三0歳を過ぎた頃に、女性はそれよりも一0歳遅い四0歳を過ぎた頃に、それぞれ「体力の急激な衰え」を感じるということです。なぜ男女の体力変化の現れに一0年の差があるのか、、、
それは「男女年代別の自律神経測定データ」です。
副交感神経のレベルは、予想どおり加齢とともに緩やかに下降していたのですが、男女ともに、ガクッと急降下する時期があったのです。そして、そして、その年代こそが、男性は三0歳を過ぎたあたり、女性は四0歳を過ぎたあたりのです。これは、男女の体力低下が見られる時期といっちします。
2010年現在、日本人の男性の平均寿命は79・59歳、女性は86・44歳と、男女の平均寿命には7歳の差があります。、、、
男性の副交感神経が女性より10年早く下がることが判明したいま、平均寿命の性差に自律神経の低下時期が深く関係していることは大いに考えられます。、、、副交感神経が低下すると、血管の老化が進み、同時に免疫力も低下し、体は病気になりやすい状態になってしまうからです。、、、
何もしなければ、私たちの自律神経の力は、10年およそ15%ずつ低下していきます。、、、
自律神経を意識的にコントロールしなければ、人生の質は10年で15%ずつ低下していくということなのです。
現在、多くの人は自律神経をコントロールすることの素晴らしさを知らないがゆえに、残念ながらそうした人生の質の低下を「しかたがないこと」とあきらめてしまっています。
ふだんから副交感神経を上げることを意識的におこなうことが、潜在能力を最大限に引き出す方法であるとともに、心身のバランスを整える「最高の健康法」になるということです。
(免疫力のピーク)(斎藤)
多くの人が自分の免疫力の低下を実感するのは、四十代後半から五十代にかけてです。疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったり、さまざまな生活習慣病が発症するのもだいたいこのぐらいの年代だからです。
でも、免疫力の低下は、こうした「実感」よりずっと早い時期から始まっています。
じつは、人間の免疫力のピークは十五歳なのです。
平均寿命は男性が七十九・五十九年、女性が八十六・四十四年(平成二十一年)。それほど人生は長くなったのに、免疫力のピークは男女とも十五歳なのです。
なぜ免疫力のピークはこれほど早いのでしょう。
それは、免疫力と深く関わる胸腺という臓器が担っています。
病気の感染予防、ガン抑制という重要な役割を担っているのがリンパ球の一種、「T細胞」と呼ばれる免疫細胞です。、、、
この大切なT細胞をつくっているのが、胸のあたり、ちょうど心臓の上に乗るように位置している「胸腺」という臓器です。そして、私たちの免疫力がピークが十五歳なのは、胸腺という臓器のピークが十五歳だからなのです。
十五歳でピークを迎えた胸腺の機能は、その後少しずつ低下していき、四十歳ごろになると胸腺の組織そのものが脂肪化しはじめます。そして、六十五歳ごろまでには完全に組織が脂肪化し、その機能を失います。、、、
じつは、この加齢による胸腺の萎縮が、高齢者のガン発症リスクを高めていたのです。
(65歳の転換点)(斎藤・実践編)
カロリーを必要量の70%に抑えr長寿遺伝子にスイッチを入れるカロリーリストラクション」(カロリス)は、胸腺が萎縮してしまう65歳以降の人にこそ福音となる健康法ということです。
したがって、成長期の食べ盛り、育ち盛りの子どもにはまだ必要のない健康法です。
また、カロリスの唯一にして最大の欠点は、体温が下がってしまうことです。
では、この問題をどう克服したらいいのでしょう。
結論からいえば、対処法は三つです。
まず一つ目は、温かい食事をとること。冷たい食事を避け、なるべく体の中から温まるような食事をすることが重要です。抗酸化力の強い野菜と免疫力を高めるきのこを入れた温かいスープなどは特にお勧めです。
二つ目は、外側から体を温める方法です。つまり、毎日おふろに入り、体を芯から温めるようにすることです。お風呂の適温は41度。
三つ目の方法は、適度な運動をすることです。ウオーキングやドローイン( お腹に力を入れて腹部をへこませるエキササイズ)、腹式呼吸などはインナーマッスルを鍛えてくれるうえ、体温アップにも効果があるので、適度な範囲内で毎日行っていただきたいと思います。
若いときには若いときの健康法が、高齢者には高齢者にふさわしい健康法があるのです。そういう意味で、カロリスは高齢者にとってのすばらしい福音だと私は考えています。
カロリスの実践はむずかしいけれど、どうしても長寿遺伝子を発現させたい。とても65歳まで待っていられない。そんなわがままな方にもじつは福音となる最近の研究があります。
そのことがわかったきっかけは「フレンチ・パラッドックス」と呼ばれる現象でした。
高脂肪・高カロリーの人ほどリスクが高い虚血性心疾患による死亡率は、フランスがヨーロッパで最下位、その数はヨーロッパ諸国と比べると、イギリスの3分の一以下、ドイツの二分の一以下という低さなのです。
カロリスのかわりに何がサーチュイン遺伝子のスイッチを入れたのでしょう。
答えは、なんと「赤ワイン」でした。
長寿遺伝子を発現させたのは、赤ワインに含まれている「レスペラトロール」というポリフェノールの一種でした。これはお酒の中では赤ワインにしか含まれていません。同じワインでも白ワインには含まれていません。
サーチュイン遺伝子を発現させるには、飲む赤ワインの量が重要なのです。
飲んでいいのは「グラス一杯の赤ワイン」だけです。
レスペラトロールは、ぶどうの皮などに含まれているポリフェノールなので、ぶどうを皮ごと絞ったジュースを飲むと赤ワインと同様の効果が得られます。
このほか、落花生の薄皮がそうですが、、、
ちなみに私が考える最強の洋風料理は、カルニチンを多く含むラム肉、ギャバを多く含むじゃがいも、コエンザイムQ10をたくさん含むにんじんという三点ベストセットを一緒に食べられるメニューです。これにグラス一杯の赤ワインをつけると、より強力な組み合わせとなるでしょう。
なぜカルニチンを含むラム肉がよいかというと、カルニチンにはミトコンドリアの脂肪燃焼作用を助ける効果があり、ダイエットにいいからです。
(60歳代からミトコンドリア系へ)(安保)
生命が老化していくプロセスには、二種類ある、、、
一つは、解糖系からミトコンドリア系へ移行し、二十代から五十代ごろの調和のバランスが崩れることによって起こる老化、これは文字通りの老化現象ですから、とても自然なことです。若い頃のような勢いはなくなりますが、ゆったりと酸化が進んでいき、与えられた天寿をまっとうすることができます。
もう一つ、仕事で無理を重ねるなどして解糖系を酷使することで進んでしまう老化もあります。
こちらは、調和の時代の段階で、すでにそのバランスを崩すような生き方をしていたケースで、低酸素・低体温の条件下で活性酸素が生まれ、ガンや糖尿病が発症しやすくなります。
二十代の頃は解糖系が主力エネルギーとして働くので少々の夜勤が続いても乗りきれますが、三十代、四十代と加齢していくほどに解糖系は後退し、瞬発力が必要な無理がどんどん利かなくなっていきます。
四十代以降はそれまでの解糖系中心の瞬発力に頼った生き方から脱却し、徐々にミトコンドリア系のゆったりした生き方に切り替えていくことが求められる時期なのです。
(季節の変わり目と自律神経)(小林)
日本のように四季のある地域では、季節によって自律神経のバランスは変動します。なぜなら、自律神経は気温の影響を受けるからです。、、、私たちの体には、夏は副交感神経が優位になりやすく、冬は交感神経が優位になりやすい傾向があります。、、、交感神経が優位になると、顆粒球(白血球の一種)が増え、副交感神経が優位になるとリンパ球が増えます。、、、
交感神経のバランスが、交感神経に大きく傾くかたちで体調を崩すと感染症になりやすくなり、副交感神経に大きく傾くかたちで体調を崩すとうつ病などメンタルな病気になりやすくなるということです。
また気温だけでなく、気圧の変化も自律神経に影響します。雨や台風などで気圧が大きく乱れると気持ちが落ち込むなど不定愁訴を訴える人が増えますが、実はこれも気圧の急激な変化が自律神経のバランスを崩すからだと考えられます。
(病気の原因)(小林)
健康な人が病気になる原因は、大きく分けて二つしかありません。
一つは「免疫系」のトラブル、もう一つは「血管系」のトラブルです。
そして、この二つのトラブルはどちらも自律神経の働きと深く関わっています。
まず、 私たちの体には「免疫系」という病気から体を守るシステムがあります。細菌やウイルスに感染することによって発症する病気。つまり「感染症」から体を守ってくれているのがこの「免疫」です。
よく風邪を引きやすい人と引きにくい人がいますが、両者は何が違うのかというと、「免疫力」の高さが違うのです。免疫力が高ければ体に侵入した細菌やウイルスをきれいに排除できるのでので発病しませんが、免疫力が低いと細菌やウイルスを排除しきることができないので発病してしまうのです。つまり、免疫力の高さが病気に対する抵抗力の強さなのです。
免疫は外部から侵入してくる異物に対して働くだけでなく、体の中で生じる異物からも守ってくれています。その筆頭がが「がん」です。がんは、私たちの体を構成している細胞が、遺伝子の突然変異によってがん化してしまう病気です。
がんというと、特別な病気と思われがちですが、実は健康な人でも毎日何千個ものがん細胞が生まれているのです。がん細胞が毎日できているのに私たちががんにならずにすんでいるのは、免疫システムがそれらを排除してくれているからです。ですから極端なことをいえば、風邪を引きやすい免疫力の低い人は、がんにもなりやすいといえるのです。、、、
もう一つの病気の原因である「血管系」のトラブルで深刻な結果を招くものというと脳梗塞や心筋梗塞が有名ですが、これらはいずれも「血栓」という塊が血管の中にできることが原因で起きる病気です。
血栓ができる原因はいくつかありますが、その最大の理由は、実は「血流」が悪くなることなのです。たとえば、「エコノミークラス症候群」は、飛行機などで長時間同じ姿勢をとりつづけていることによって静脈に血栓ができる病気ですが、この原因も血行不良、つまり血液の流れが滞ることです。
バランスのいい範囲内であれば、交感神経が優位になると血圧が上がり、「血流が速く」なります。同様に副交感神経が優位になると、血管は弛緩、つまり広がるので、「血流が多く」なります。方向性は異なりますが、どちらも血流がよくなるといえます。
交感神経の過剰に優位になった場合、血管の内皮細胞を傷めてしまう、、、
よく高血圧になると血管がボロボロになるといいますが、これは血管の内壁(内皮細胞)が傷つく様子を表しているのです。
私たちの体は約60兆個の細胞の集合体です。その一つひとつの細胞がきちんと機能するためには栄養と酸素が必要です。私たちはその栄養と酸素を食事と呼吸によって取り込み、腸と肺でそれを吸収し、血液の流れに乗せてそれぞれの細胞に運んでいます。
同時に、一つひとつの細胞の排泄物を体の外に送り出すルートとなっているのも、病原体などの異物が侵入してきたときや、がん細胞ができたときにそれをやっつける免疫細胞を運んできてくれるのも、やはり血流なのです。
ですから血流が悪くなると、さいのきのうが低下するうえ、免疫力も低下してしまうのです。さらに血管がもろくなり血栓ができやすくなるのですから、血流が悪いというのは一般の方々が考えている以上に体にとって悪いことなのです。
でも、血流が大切なのは、なにも「悪いと病気になるから」というだけの理由ではありません。持てる力を最大限に発揮するには、「血流がいい」ことが必要不可欠なのです。、、、とくに脳がその能力を充分に発揮するためには、「血流がいい」ことが必要不可欠なのです。
(「凝り」をとる)(小林)
筋肉が硬くなったとき、私たちはその「凝り」をとるために、揉んだり、マッサージしたりしますが、実はあれは筋肉がほぐれるから凝りが解消するのではないのです。筋肉を揉むことでそこに走っている毛細血管の血流が促され、その結果として凝りが解消されているのです。問題は筋肉ではなく、血流にあるのです。
足裏マッサージで全身の体調がよくなるのは、まさにこの典型といえます。
{汚れと解毒}
(「血液の汚れ」とは)(石原)
血液の内容が全く知られていなかった2000年以上も前から、東洋医学では、「万病一元、血液の汚れから生ず」「食が血とまり、血が肉となる」と考えられていた。
口に入れた飲食物は胃腸で消化、吸収されて、血液内に入って行き、血液内ではタンパク質、脂質(コレステロールや中性脂肪),糖、ビタミン(約30種)、ミネラル(約100種)、水分として存在する。
血液中には他に、肺から吸い込まれた酸素や、
膵臓、生殖器、副腎などで産生分泌されたインスリン、男性ホルモンや女性ホルモン、アドレナリン、コーチゾール、、、等々のホルモン、
骨髄などで作られた赤血球、白血球、血小板などの血球
人体を構成する60兆個の細胞の活動の結果生じる尿酸、尿素窒素、クテアチニン、、、等々の老廃物
が含まれる。
血液は、45~60秒で人体を一周する。この血液が脳、心臓、肺、胃腸、肝臓、腎臓、子宮、皮膚、骨、、、等々、人体のすべての器官、臓器を巡回し、種々の栄養素や水分、酸素、種々のホルモンを送り届けることにより、そうした器官、臓器は、それぞれ特有の働きを遂行し、その総合作用として生命を保っている。
その血液中に老廃物が多くなったり、タンパク質、脂肪、糖などの栄養物質も多くなりすぎたり、少
なくなったりすることが東洋医学でいう「血液の汚れ」と言ってよい。
この汚れた血液が、人体の種々の細胞、器官、臓器に四六時中接すると、そうした器官、臓器は障害されてくる。それが病気であり、「万病一元、血液の汚れから生ず」という意味である。
毒ガス室に入れられた人は、肺を通して毒を吸い込み、それが全身に回って死ぬが、「血液の汚れ」とは、主に食物(の過剰や質の悪化)によって生じる「食毒」であり、それが全身に回ると、病気をしたり、死んだりするわけだ。
(血液を汚す原因)(石原)
1 食べすぎ
食べすぎると、血液中にタンパク質、糖、コレステロールや中性脂肪、それに老廃物も増えて血液が汚れる。
とくに、肉、卵、牛乳、バター、マヨネーズに代表される高タンパク、高脂肪の欧米食や、精白米、白パン、白砂糖の「三白」、化学調味料などを摂りすぎると、血液の汚れは著しくなる。
2 運動不足
体温の40%以上は、筋肉から発生するので、日常生活で
運動不足や筋肉労働の不足があると、体温が低下し、血液中のタンパク質、脂肪、糖分の燃焼や、尿酸、尿素窒素、クレアチニン、、、等々の老廃物の排泄も悪くなり血液中に残存して、血液が汚れる。
3 ストレス
心身に負担(ストレス)が生じると、腎臓の傍に存在する副腎という臓器から、アドレナリンやコーチゾールなどのホルモンが分泌される。。その結果、血管が縮み、血圧が上昇する。、、、血管が縮んで血行が悪くなる。この状態が続くと、体温も下がり、血液中に老廃物もたまり、血液が汚れてくる。
ストレスにより、血糖、コレステロール、赤血球、血小板も増加し、高血糖、高脂血症をはじめ、血栓もできやすくなることがわかっている。コーチゾールによるリンパ球の溶解も進み、免疫力も低下する。
4 冷え
入浴、サウナ、運動などで発汗するときは、体温が1度C上昇した時であり、その時は一時的に免疫力が5~6倍になるぉとがわかっている。逆に、体温が1度C低下すると、免疫力は30%以上減衰するとされるが、体温低下ー=冷えは血液中の糖、脂肪、タンパク質などの栄養物質の燃焼や種々の老廃物の燃焼・排泄を妨げて、血液が汚れるからである。
5 環境汚染物質
自動車の排ガスや工場からの煤煙、ゴミ焼却炉からのダイオキシンのような大気汚染物質、食物中の残留農薬や食品添加物の一部、化学調味料の一部、等々は、環境汚染物質である。
こうした、もともと自然界に存在しない物質が、胃腸や肺を通して血液内に入ってくると血液を汚すこととなる。
(種々の血液浄化反応)(石原)
地球上に、30億年間生き永らえてきた生命の頂点に立つ人間の体は、「血液の汚れ」に対して、種々の反応をし、血液を浄化し、健康になろう、長生きしようとする反応を備えている。
1 嘔吐、下痢
食中毒や、その毒素、ヒ素、サリンなどの猛毒物質が、胃に入ってくると、胃液を大量に分泌してうすめ、嘔吐をして外に捨てようとする。
胃を通り越して、腸まで有害物が入ってくると、もはや嘔吐はできないので、腸液、胆汁、膵液などの消化液を多量に分泌してうすめ、下痢で排泄する。
約15年前に流行した「Oー157」による食中毒で100人近くの人が亡くなられたが、そうした人々はは、病院を受診し、吐く気止めを処方され、それがとてもよく効いた人がほとんどだったという。
西洋医学でも「患者さん達に、嘔と下痢を存分にさせて、その後点滴してあげればよかった、、、」と反省しているようである。
この嘔吐や下痢は、血液を汚すまいとする、体内に自然に備わった反応=「自然治癒力」である。
2 発疹
食べすぎや肉食のしすぎによって生じる栄養過剰物質や老廃物、体に合わない食物、化学調味料や食品添加物、化学薬品など、さほど有害でない物質が、胃腸の取捨選択の目を通り抜けて、血液に入ってきた場合でも、血液中の白血球が有害物が侵入してきたと察知すると、アレルギー反応を起こして、皮膚から排泄しようとする。それが、ジンマ疹、湿疹、化膿疹、、、の発疹である。発疹も「自然治癒力」の一つである。
昔から、梅毒、ハシカ、発疹チフスなど、発疹を伴う病気は、発疹がひどいほど、病気自体は軽く済むことが経験的に知られているが、発疹が血液浄化の反応であることを考えれば、納得がいく。
西洋医学では、発疹そのものを病気と見て、ステロイドや抗ヒスタミン剤で、皮膚で起こる発疹の反応を止めるので、なかなか皮膚病は治りにくいのである。
3 炎症j
血液内に入ってきた有害物は発疹で排泄されたり、血液中の白血球の貪食作用で処理されるが、あまりに大量の有害物が血液中や体内に存在すると、バイ菌が体内に侵入してきて、肺炎、気管支炎、膀胱炎、胆嚢炎、、、等々「炎」とつく名の「炎症」を起こして、老廃物や有害物を燃焼しようとする反応が起きる。、、、炎症も「自然治癒力」のひとつである。
西洋医学では、炎症生疾患に対して、抗生物質でバイ菌を殺し解熱剤で発熱を抑えようとする。炎症生疾患で、「発熱」と「食欲不振」が生じるのは、「発熱」は老廃物、有毒物が燃焼している状態せあり、「食欲不振」は、血液を汚す最大の要因が食物であるから、食事の摂取を一時的にストップする反応である。いずれも血液の浄化反応と考えてよい。
その点、民間療法では、日本の卵酒や生姜湯、ヨーロッパの赤ワインの熱燗やレモンウイスキーの如く、体を温める飲み物を摂って発汗させることによって、炎症を治そうとすることが、古くから行われている。
発汗すると、血液中の老廃物が排泄されて血液がキレイになり、バイ菌が入ってくる理由がなくなるからである。よって、こうした自然療法で治した「炎症生疾患」は、ぶり返すことが少ないが、抗生物質や解熱剤で症状を抑える西洋医学的方法では、「炎症」が長引いたり、ぶり返すことが少なくないのである。
4 動脈硬化、高血圧、出血、血栓
発疹や炎症で十分に処理しきれないほどの老廃物や有毒物が血液内に存在したり、発疹や発熱、食欲不振という血液浄化反応を止めるような治療を続けていると、つなぎ合わせると10万kmにもなるという血管の内壁に血液の汚れを沈着させて血液をキレイにしようとする反応が起こる。それが動脈硬化である。それにより、細胞がキレイになっても、血液の通り道は細くなっているので、心臓は、全身に十分に血液を送るべく力を入れる。それがこうである。
西洋医学では、動脈硬化や高血圧に対して、血管を広げる薬や心臓の収縮力を弱める薬を用いて治療する。しかし、同じような食習慣や運動不足の習慣を続けていると、また、血液が汚れてくる。血液の汚れを血管壁に沈着させるにも限度がある。血管が細くなりすぎるからである。
よって、再び血管が汚れてくると、血管壁を破綻させて出血するか、血液の汚れを血液内で一カ所に固めて、血液を浄化しようとする。
それが出血(脳出血、潰瘍や痔などからの出血)や血栓(心筋梗塞や脳梗塞)である。つまり、「動脈硬化」「高血圧」「出血」「血栓」も「自然治癒力」の発現の一つなのである。
このように、西洋医学が躍起となって「治癒」している病気は、東洋医学的に見ると、血液の汚れをキレイにして、健康になろう、長生きしようとしている反応にほかならない。
血液浄化反応を悉く抑えたり、そうした反応では処理場しきれないくらいの老廃物、有害物が、体内、血液内に存在するようになると、体は、血液浄化するための最終手段を取ることになる。
5 ガン腫
西洋医学でも、ガン腫からは、ガン毒素が、排出されていることを以前から認めているが、ガン腫が血液の汚れを浄化して、それを排泄していると考えると、、、「ガン腫」も「自然治癒力」の発現なのである。
こう見てくると、西洋医学は、体が「万病一元、血液の汚れから生ず」の血液の汚れを一生懸命浄化しようとする反応を、悉く有害な反応=病気と見て、抑えようとするから、医師が増え、医学が発達しても、病気が減らないのである。
救急医学や診断学、必要な人にとっての臓器移植などの西洋医学は、まことに素晴らしい。その素晴らしい手法や考え方をそのまま慢性病にあてはめようとするところに、西洋医学の盲点があるのではないだろうか。
(二つのエネルギー・システムとガン)(安保)
私たちの体は、食べ物の栄養素や呼吸から得た酸素を細胞まで運び、活動エネルギーに変えることで、生き続けています。人が呼吸をし、食事をするのは、全身の六十兆もの細胞にエネルギーの原料を送り込むためであり、こうしts燃料をもとにした細胞内のエネルギー産生が生命活動の基盤になっているのです。
そして、エネルギー産生のシステムは、「解糖系」と「ミトコンドリア系」という二つのプロセスに分けることができます。わかりやすくいえば、人間には細胞内に、性質の異なる二つのエネルギー工場があるのです。
まず、解糖系についてですが、これは食べ物から得られる栄養素をエネルギーに転換するシステムです。
原料になるのは主にブドウ糖(糖類)ですが、糖を分解するだけの単純なシステムなので、すぐにエネルギーが作り出せるのが、特徴です。ただ、即効性がある分、一度に作り出せる量は決して多くはありません。
これに対してミトコンドリア系は、解糖系で分解された栄養素などに加え、呼吸によって得られた酸素など、ほかの多くの要素も関わっています。
細胞内のミトコンドリアという器官で栄養素から水素(H)を取り出し、酸素(O)と結びつけ、水素(H2O)を作り出す過程で、解糖系とは比較にならない多量のエネルギーを生み出すことができます。。
生物はこうしたミトコンドリア系のエネルギーを獲得することで進化の切符を手に入れたわけですが、工程がとても複雑なため、瞬時にエネルギーが必要なときには、シンプルな解糖系が必要になります。
解糖系とミトコンドリア系のエネルギー産生は、専門的には、嫌気性(酸素を嫌う)と好気性(酸素を好む)と呼ばれています。私たちの体は細胞内の二つのシステムを使い分けることで、外界の様々な環境に適応して生きているのです。
解糖系=無酸素運動 (特徴 ) 瞬発力と分裂 即効性 嫌気性
ミトコンドリア系=有酸素運動 (特徴) 持久力と成熟 エネルギー量産 好気性(酸素が好き)
(解糖系からミトコンドリア系へ)(安保)
解糖系とミトコンドリア系のバランスが崩れてしまい、無酸素の解糖系ばかりが稼働するようになったとき、がん細胞が生み出されやすくなるのです。
長時間ろうどうや心配事などで低酸素・低体温状態が持続すると、ガン細胞を生み出す解糖系の世界にどんどん入り込んでいきます。
ガン細胞は、ミトコンドリア系(=酸素)を使わずに増殖していくのです。
「ガンは低酸素・低体温に対する体の適応現象である」といえます。
治療法についても、低酸素・低体温から抜け出すことを前提とすれば、「体を温める」「長時間労働を減らす」「ゆったり呼吸する」といった、もっともシンプルな方法が有効であることが見えてくるはずです。、、、
ガンを退縮させるのは決して難しいことではありません。ガンが適応しにくい環境、すなわち低酸素・低体温から脱却し、ミトコンドリア系が働きやすい環境に変えてあげればいいからです。
現にがんが自然退縮したという臨床例はいくらでもあります。その多くは三大療法を用いない代替療法の中に見いだせます。、、、
私たち人間は、ミトコンドリア系の有酸素運動を取り入れ、酸素の力を活用しることで成長し、長く生き続けることがでこる存在なのです。
長生きしたければ、瞬発力に頼りすぎず、ミトコンドリア系のゆったりした有酸素の世界に基盤を置いた方が健康でいられます。その意味では怒りを鎮めるのも、とても大事なことです。
(ガンと食事療法)(安保)
ドイツ人医師のマックス・ゲルソン(1881~1959)が創始した食事療法(ゲルソン療法)は、肉類などの動物性たんぱく質やナトリウム(塩分)の摂取を避け、生野菜や果物をジュースにして毎日たっぷりととることなどを基本にしたもので、現在行われている様々な食事療法の元祖とも呼べるものです。
過剰摂取した肉類は腸内で腐敗し、酸素不足がもたらされることで、発ガンの原因になります。また、ナトリウムをカットするということは、細胞内のナトリウムとカリウムのバランスを正常に保つために必要なことです。、、、ナトリウム過多の状態はミトコンドリア系の働きにも負担を与えるのです。、、、
肉食をやめ、塩もやめる、そして野菜や果物の摂取を増やすという食事療法は、解糖系の働きを弱め、ミトコンドリア系の働きを活性化させるうえで効果的です。ガン細胞の特徴をよくつかんでいる面があるため、ガンの治癒に大きな成果が現れるのです。
(糖類とガン)(安保)
PET検査は、、、解糖系の刺激で分裂するガン細胞は糖類を好みますから、ブドウ糖を体内に取り入れればガン細胞に自然と集中することになり、正常な細胞との違いがはっきり現れるわけです。
その意味でいえば、糖類のとりすぎもガン化を促す要因であり、食事療法の多くがその摂取を制限していることもうなづけます。現代人が好んで口にする肉類や砂糖、塩分の多い料理などは、ガン細胞が分裂しやすい状況を作り出す面があるわけです。
{食事}
(「食欲不振」と「発熱」)(石原)
人間も動物も、病気したり、ひどく疲れたりすると、食欲不振に陥るか、発熱する。この「食欲不振=断食」と「発熱」こそが、免疫力を上げ、病気を治す唯二の方法である。医師も看護師もn病院も存在しない野生の世界で、何億年もの間、動物は病気(滅多にはしないが)したり、ケガをしたりすると、「食べない」か「発熱する」かで免疫力を上げて、健康になり、これまで連綿と生命をつないできた。
(体にいい食事がもたらす三つの健康効果)
私たちの体が食べ物に求めているのは、たんなる栄養素だけではありません。じつは私たちの体というのは、本当に体にいい食事をすることで、「免疫力」と「抗酸化酵素能力」と「抗ストレス力」という三つの能力をアップさせることができるのです。、、、
じつは、食事にはもう一つ、とても大きな、そして驚くべきパワーが隠されていたことがついに最近の研究で明らかになりました。
そのパワーとは、体の中で眠っている「長寿遺伝子」を発現させるというものです。
それは、「栄養バランスを保ったまま、摂取カロリーを必要量の70%に抑える」という、ある意味とてもシンプルで、誰でもやろうと思えば実践できる方法です。、、、
このようにカロリーを制限した食事法をアメリカでは「カロリーリストラクション」といいます。
(よく噛んで食べる)(斎藤・実践編)
体にいい食事のもう一つの基本は、よう噛むことです。
具体的な数字でいえば、ひとくち当たり30回噛んでください。
よく噛むメリットは三つあります。
一つは「インスリンの分泌を抑制する」こと。
二つ目は「ホルモンの分泌」を促すこと。
そして三つ目が、よく噛まないと出てこない「消化酵素を出す」ことです。
よく噛むと、いくつかのとても重要なホルモンが分泌されます。その代表が「ヒスタミン」「レプチン」「ペルオキシダーゼ」「コレシストキニン」の四つです。前の三つのホルモンによって、よく噛むことは、満腹中枢を刺激し満腹感をもたらすとともに、基礎代謝を上げる働きをもっているということです。ペルオキシターゼはホルモンのような作用をもった酵素です。これはよく噛むことによって唾液の中に分泌されるのですが、発ガン性物質を低下させる働きがありことがわかっています。
コレシストキニンは、よく噛むことで食後二時間から三時間ほどで十二指腸から分泌されるのですが、これが分泌されると脳の中でも記憶と深く関わっている「海馬」という場所の血流量が増えることがわかっています。脳の場合、血流量が増えるということは、その場所の機能が高まるということなので、よく噛むことで脳の海馬の機能が高まるといえます。、、、
つまり、「よく噛むこと」はたんに消化吸収を助けるというだけでなく、老化を遅らせ、肥満を防ぎ、膵臓を守り、脳を活性化させ、ガンの発症までも予防することができるすばらしい健康法だということです。
(食べる順番)(斎藤・実践編)
食べる順番の指針となるのが「GI値」といわれる数値です。
GI値とは、グリせミック・インデックスの略で、そn食品が血糖値を上昇させるスピードを測ったものだ、ブドウ糖50グラムを摂取したちきの血糖値上昇率を100として、相対値で表されます。
急激な血糖値の上昇を防ぐためには、GI値の低いものから食べはじめ、食事が進むにつれてGI値の高いものを食べていくことです。
GI値の高い食べ物は、基本的に糖質の多いものです。甘いものやお菓子はいうまでもありませんが、日常の食事で主食ちなる米や小麦、芋類もGI値の高い食品です。、、、
同じ主食で、カロリーもほぼ同じうどんと日本そばですが、GI値はうどんが85、日本そばは54と大きく異なります。
(抗酸化力の高い食材)(斎藤・実践編)
体にいい食材の筆頭は、抗酸化力の高い食材です。
代表的なものを三つ挙げると「緑黄色野菜」と「アスタキサンチンを含む魚」と「フルーツ」です。
1 抗酸化力の高い野菜
緑-ブロッコリー、ほうれん草、ピーマン
赤-トマト、パブリカ(赤)、にんじん
黄-かぼちゃ、パブリカ(黄)
紫-赤たまねぎ、ピーツ、赤かぶ、あかじそ
その他-にんにく、たまねぎ、長ねぎ、香草類
2 アスタキサンチンを含む= ピンク色のサーモン
さーもん、甘えび、いくら、鯛
3 フルーツ=せんどのいいものをできるだけ皮ごと食べる
ビタミンを多く含むフルーツ
ビタミンA-まんごー、パッションフルーツ、あんず
ビタミンC-アセロラ、レモン、アサイー、キーウィフルーツ
ビタミンE-キーウィフルーツ、ブルーベリー、あんず
また、フルーツには、ビタミンのほかにも多くの抗酸化物質が含まれています。
(ストレス軽減の食材)(斎藤・実践編)
ストレス軽減にトマトは絶大な効果があります。トマトの何がストレスを軽減するかというと「GABA」(ギャバ)です。ギャバにはとても大きなメリットが二つあります。
一つは「抗ストレス作用=精神の安定」です。
もう一つのメリットは、「成長ホルモンの分泌」です。
ギャバの多い食材
トマト、かぼちゃ、じゃがいも、玄米
(免疫力を高める食材)(斎藤・実践編)
免疫力を高めてくれる食材の代表は「きのこ」です。
きのこの中にはベータグルカンという多糖体が含まれているのですが、これがNK細胞やT細胞、マクロファージといった免疫細胞を増やし、免疫力を高めることがわかっています。
加熱してもその効力が失われることはない、、、高分子の物質で消化吸収があまりよくないので、調理の際は細かく切った方が、、、また、成分が水に溶けやすいので、汁ごと食べるように、、、
さらに、ベータグルカンの中には、ガン抑制機能が報告されているものもあります。、、、一日一回は必ずメニューの加えていただきたい食材の一つです。
ほかに免疫力を高める食材としてお勧めなのが、「ねばねば系」と「ねぎ類」です。
きのこ類-椎茸、舞茸、アガリスクなど
ねばねば系-納豆、オクラ、モロヘイヤ、めかぶ、山芋など
ねぎ類-長ねぎなど
(副交感神経を刺激する食材)(斎藤・実践編)
交感神経の過緊張を原因とする低体温の人が増えているいま、副交感神経を刺激する食材も体にとっていい食材といえます。
副交感神経を刺激する食材には、大きく二種類あります。
一つは「食物繊維を多く含む食材」、もう一つは「排泄反射をうながす食材」です。
食物繊維の多い食材-豆類、ごぼう、海藻類、きのこ類
排泄反射を促す食材-唐辛子、わさび、ゴーヤ、お酢、生姜
(空腹の時は免疫力が上がる)(石原)
「免疫」力とは血液中の白血球が外から入ってきたバイ菌やアレルゲン、体内でできたガン細胞などを貪食する力のことである。
我々が満腹の時は、血液中にも、タンパク質、糖、脂肪、ビタミン、ミネラル、、、等々の栄養素も十分吸収されて存在しており、それを栄養として生きている白血球も満腹になり、バイ菌やガン細胞を十分食べようとしない。つまり、満腹の時は、免疫力が低下するのである。
逆に、我々が空腹の時には、血流中の栄養素も不足気味になっており、白血球も空腹気味になので、バイ菌やガン細胞をはじめ、種々の異物を貪欲に食べてしまう。つまり、空腹の時は、免疫力が上がるのである。
(体温が上昇すると免疫力も上がる)(石原)
我々の体は、あたたかい場所や入浴中には、活発に動くが、寒い所ではかじかんで、動きが硬くなる。どうように、血液中の白血球も、体温が低いと、その貪食力は低下し、体温が上昇すると、貪食力は増強する。
よって、人間も動物も、病気をしたり、疲労が濃い時は、食欲不振に陥り、はつねつして、免疫力を上げて病気を治し、疲労を回復しようとするのである。、、、「腹八分に病なし」である。、、、
その「少食」健康法の究極の方法が断食療法ということになる。
(饑餓に強い人体)(石原)
人類300万年の歴史は、ある面、飢餓の歴史と言ってもよい。人体60兆の細胞のエネルギー源である血糖が空腹により切れかかった時、グリコーゲンや脂肪から糖を作って血糖を上昇させるホルモンは、アドレナリン、ノルアドレナリン、サイロキシン、グルカゴン、成長ホルモン、、、等々、約10種類存在する。しかし、食べすぎて、高血糖になった時に、それを下げるホルモンは、インスリンしか存在しない。
よって、人間の体は、空腹で、健康を保つように適応しているのであり、現代のように 食べすぎた場合、それに対処する手段を知らない故に、高血糖(糖尿病),高脂血症、痛風、ガン、、、等々の、ありとあらゆる病気でもがき苦しんでいる、といっても過言ではない。
(断食療法の歴史)(石原)
健康増進のための断食は、地中海沿岸の国々では古くから行われていた。
治療法として断食を活用し始めたのは、「医学典範」の著者であるイブン・シーナー(アラビアの医学者、980~1037)である。
近代になってからは、ドイツのフリードリッヒ・ホフマン(1660~1742)、、、
19世紀も半ばになると、米国のE・H・デューイ博士らにより、、、
20世紀になり、アメリカの有名な作家アプトん・シンクレアは、、、、
1930年代に、米国テキサス州サンアントニオに、ハーバート・シェルトン博士による断食療法病院が設立され、、、
1950年代に入ると、ドイツのバートビルモントンにビュヒンゲル・サナトリュウムがオットー・オットー・ビュヒンゲル博士により開設され、、、、
ロシアでも、精神科医のユーリー・ニコライエフ博士が断食療法を治療に取り入れ、、、
(饑餓と酵素)(新谷)
免疫力が低下しているひとは、細胞内の掃除がうまくできていない人です。なぜうまくできていないのでしょうか。理由は簡単。酵素の働きが追いつかないほどの大量のゴミが、細胞内に生み出されてしまっているからです。
では、ゴミの大量発生を抑えるには、どうすればいいのでしょうか。ヒントとなるのは、細胞内のクリーニング部隊、酵素の特性です。細胞のゴミを取る酵素は、饑餓状態に瀕したとき、活性化されるのです。
饑餓は私たちが思っている以上に、高い生命力を維持してきた活力源なのです。食べないことで元気が得られるのです。
(高齢化と小食)(安保)
「食べることで生命を養う」という栄養学の考え方は、解糖系の働きのみを基準にした偏ったものにすぎないのです。
現代医療では寝たきりの老人を元気にしようと、点滴で栄養補給し、解糖系の世界へ無理やり引き戻そうとします。また、胃瘻といって、食事が満足に摂れない高齢の患者に、胃に直接チューブで水や栄養を送る措置もします。
栄養を与えることが生命をつなぐことだと考えているのでしょうが、もう解糖系の出番はないという発想がどこにもありません。
(食べ過ぎと免疫力)(安保)
断食が体にいいとされるのも、解糖系への依存状態を正し、バランスの崩れを戻すたまに有効だからです。、、、マクロファージによる栄養処理の必要性が減っていくため、マクロファージは細菌やウイルスなどの外敵の防御のほうに専念できるようになります。こうして、食べないことで免疫力が増すことになるのです。
実際、栄養処理に駆り出されたマクロファージを顕微鏡で観察すると、パンパンに腫れてしまってほとんど身動きがとれません。こうしたマクロファージは泡沫細胞と呼ばれ、防御細胞としての働きはできなくなります。
食べ物の栄養は体にとって必要なものですが、とりすぎてしまうと免疫力が低下し、病気を呼び込む原因になります。日頃から過食傾向にある人は定期的に断食を行い、生き方のバランスを取り戻すことも必要でしょう。
(少食療法)(石原)
夜、寝ている時は、誰しも断食している。よって、夜から朝にかけては、排泄現象のオンパレードになる。その状態で、朝、食べたくもない朝食を食べると、「吸収は排泄を阻害」して、体内、血液内の老廃物、有害物の排泄が妨げられて血液が汚れ、万病発生の素地を作っていくことになる。、、、
とはいっても、人体60兆個の細胞の午前中の活動源である糖分や水分を補う必要がある。しかし、固形物を食べるとl胃腸に負担がかかり、大便や小便、吐く息などからの老廃物、有害物の排泄が阻害される。よって、胃腸に負担をかけず、血液中の汚れの排泄現象をも妨げずに、水分と糖分を補う方法として、紅茶に黒砂糖またはハチミツを入れた飲物がおすすめだ。
< 朝は生姜紅茶か人参ジュース>
人参・リンゴジュースは「人間の体に必要なビタミン約30種類、ミネラル約100種類を過不足なく含んでいる」。
これらの微量栄養素は、毎日の所要量が決まっているが、たとえ129種類を所要量通り摂っていても、1種類不足しただけで、病気が発生する。
[ビタミンの不足]
ビタミンA不足=視力低下、肌荒れ、肺ガン、膀胱ガン
ビタミンB1不足=脚気(手足のむくみ、心臓病)
ビタミンB2不足=口内炎、肝臓病
ビタミンC不足=出血、免疫力低下
ビタミンD不足=骨歯の脆弱化
ビタミンE不足=不妊、老化、動脈硬化
[ミネラルの不足]
鉄不足=貧血
亜鉛不足=精力低下、皮膚病
マグネシュウム不足=心臓病、精神病
カルシュウム不足=骨歯の脆弱化、精神不安
<昼食にそば><夕食は自由>
昼食に重い食事を食べると、腹痛やだるさ、ねむさが招来されるおそれがある。よって、断食後の補食と同じように、軽いものにするとよい。
おすすめは、そばだ。そばは、8種類の必須アミノ酸を含む優秀なタンパク質、どうみゃくを防ぐ植物性脂肪、エネルギー源の炭水化物(糖類)を含有し、しかも、びたやミネラル類も豊富だ。そばに不足しているビタミンやミネラルは、ネギに含まれているので、そばにネギを存分にふりかけて食べるとよい。ついでに、血管を拡張して血行をよくし、体を温めてくれる七味唐辛子をかけると完璧な昼食となる。
そばに飽きたら、具沢山のうどんにネギ、七味唐辛子をしっかりふりかけて食べるか、血行をよくして体を温めるニンニクを混ぜて作られるパスタのペペロンチーノや、体を温めるチーズから作られるピザに、タバスコ(唐辛子のカプサイシンをふくむ)をかけて食べるとよい。
朝食や昼食をこうして少食で済ませると、夕食はアルコールを含め何を食べてもよい。
(朝のファスティング)(新谷)
細胞内のゴミを取り、自然免疫力を高めることのカギは、食べないこと=ファスティングにある、、
私がお勧めしている朝のファスティングはとても簡単。朝起きてから会社などに出かけるまでの間に、次のことを実行するだけ
1 常温のよい水を500ミリリットル程度ゆっくり飲む。
2 季節の果物や野菜を生の状態で食べる。
(早い時間に夕食)(新谷)
9~10時に夕食をとる人がいますが、これでは十分消化が進まないうちに睡眠をとることになります。胃腸の負担を減らし、体内酵素の無用な消耗を避けるため、夕食は6~7時ごろ、遅くとも9時までには、食事を終える習慣をつくってください。
(酵素生ジュース)(新谷)
短期間でしっかり体質改善を図りたいという人、時間がなくてあまり調理ができない人などは、ほうれん草や小松菜、にんじん、キャベツなどの野菜を、りんご、バナナ、キウイ、パイナップルなどの果物と一緒にミキサーにかけ、生ジュースにして、朝飲むようにするといいでしょう。
(玄米ごはん)(新谷)
玄米ごはんは、各種栄養素=植物の生命エネルギーをほぼ過不足なく摂取することができます。とくに、植物繊維の補給源として優れているので、主食を白米から玄米に変えるだけででも、腸がスムーズに働きます。
(植物85%、動物15%)(新谷)
主食である穀類を含め85%を植物食に、残りの15%を魚も含めた動物食にするのが理想的な食事です。植物性の食品の割合を増やし、動物性食品を減らすことが、細胞の働きを元気にし、免疫力を高めるためにいちばんの方法なのです。
(肉より魚、魚より豆)(新谷)
従来”良質のたんぱく源”といわれてきた肉類ですが、じつは精製した穀類と並んで、もっとも腸に負担をかけやすい食品なのです。理由として考えられるのは、肉類にはまったく植物繊維が含まれていないということです。それなら野菜などで、植物繊維を補えばいいという意見もありますが、そのためには相当量の野菜をとる必要があり、あまり現実的な解決策とは思えません。
(体に効く食べ物)(石原)
<体質と食べ物>
漢方医学では、宇宙のすべての事象、森羅万象を「陽」と「陰」とに分けて考える。
陽とは、太陽、夏、昼など暖かく乾燥しており、陰とは、月、冬、夜のように「冷え」の性質をもつ。「雨」「水」にぬれると冷えるので、水「湿」は、陰の属性である。
また、陽は引き締まり(縮」、陰はダラリとのびて、力のない状態(拡)という特徴もある。
陽の色は、赤、黒、橙、黄の暖色で、陰の色は、青、白、緑など冷色である。
以上は筋肉で作られるのだから、陽性体質の人は体が温かく、活動的である。mた、血色もよい。胃腸や声帯も筋肉でできているのだから、陽性体質の人は、胃腸の働きもよく(食欲があり)声も太くて張りがある。
陰性体質の人は、色白で、水太りで、筋肉が少ないので、体温が低く、動作も遅く、顔色も悪い。胃腸の働きもよくないので、食欲不振や便秘・下痢に陥りやすく、声も小さく張りがない。体温が低く、赤味が少ないので、貧血(赤血球が少ない)や白髪になりやすい。
女性は、ほとんど陰性体質であるし、男性でも、色白で長身、髪の毛が多く、白髪になりやすい人は、陰性である。
陽性体質のひとは、食欲旺盛で元気一杯、ほがらかで人に好かれて、よい人生を送るが、食べすぎる結果、老廃物過剰、熱過剰で、高血圧、心筋梗塞、欧米型のガンなどにかぁりバタリと倒れ、短命におわることが少なくない。日本の力士が長生きしないことを考えるとよくわかる。
逆に陰性体質の人は、冷えと水と痛みの病気で悩む。低血圧、胃炎、胃潰瘍、アレルギー、リュウマチ、神経痛、、、など、死ぬような病気ではないのだが、一年中、なにかしら不定愁訴があり、グチグチ言いながら、わりと長生きする。
うつ病、ノイローゼ(神経症)、自律神経失調症、自殺など、精神疾患=気の滞りの病気は、この陰の状態で発症する病気である。
よって、「陰の病気」にたいしては、筋肉を動かし(散歩やスポーツ)、入浴やサウナ、カラオケ、シュミットに打ち込む、瞑想、何かに情熱を燃やすなどして、体を温める必要がある。
日頃、口にする食べ物も重要になってくる。現代医学、栄養学では言わないが、漢方では、体を温める食べ物と冷やす食べ物を厳然として区別している。
ひと言でいうと、体を温める陽性食品は、ナトリュウム(Na)の多い食べ物で、代表が塩である。
体を冷やす食べ物は、カリウム(Ka)の多い食べ物で、その代表が酢である。
もう少し一般的に解説すると、「体を温める食べ物」は、北方産のもの、塩辛いもの、牛乳以外の動物性食品、根菜類(硬くて濃い色)、赤・黒・橙の外観の食べ物となる。
「体を冷やす食べ物」は、南方産のもの、水っぽいもの、葉菜類、(青)白い食べ物、、、ということになる。
体を冷やしも温めもしない陰陽の中間性の食品が、玄米、黒パン、トウモロコシ、イモ類、マメ類、雑穀など人類が主食にしてきた、外観が黄~薄茶色の食べ物である。
間性食品は、陽性体質の人も、陰性体質の人も、どこででも食べてよい。よって、主食になりえたわけだ。陰性体質の人は、陽性の食べ物と間性の食べ物をしっかり食べ、陽性体質の人は、陰性の食べ物をしっかり食べれば健康になるし、それぞれの病気を治す大きな原動力になる。
[陽性の食物](体を温める)
# 北方産 硬い
# 赤、黒、橙、黄色のもの
# 塩、みそ、しょうゆ、メンタイコ
# 根菜(ゴボウ、人参、レンコン、生姜、山芋)
# 黒っぽいもの(紅茶、海藻、小豆、黒豆)
# 日本酒、赤ワイン、梅酒、お湯割のウイスキー)
[陰性の食物](体を冷やす)
# 南方産 柔らかい 水っぽい
# 青、白、緑色のもの
# 水、酢、牛乳、ビール、ウイスキー、コーラ、ジュース
# 南方産(ババナ、パイン、ミカン、レモン、トマト、キュウリ、スイカ、カレー、コーヒー、緑茶)
# 白いもの(白砂糖、白パン、化学調味料、化学薬品)
# 葉菜類
[間性の食物](中間のもの)
# 黄色のもの 玄米、玄麦、黒パン、トウモロコシ、芋、大豆
# 北方産の果物(リンゴ、ブドウ、サクランボ、プルーン)
(酵素の補給・活性化)(新谷)
酵素は、使えばなくなってしまう消耗品です。ですから、酵素の節約を心がけるとともに、体内酵素を増やす努力をすることが、免疫力アップの根幹となります。
まず第一に必要なことは、酵素の補給です。そのためには、酵素が豊富に含まれている食べ物を食べることです。酵素の多い食べ物は、自分自身の消化酵素で消化を早めるので、消化酵素の分泌を最小限に抑えることができるのです。また酵素の多い食品は、腸内の善玉菌を増やします。善玉菌には、体内酵素をつくり出す働きもあるのです。
次は、酵素を活性化させることです。酵素は、37度CD前後で活発に活動します。酵素を活性化させるためには、体を冷やさず適正な体温を維持することが大切です。また、よい水を飲むことも、酵素を活性化させる重要なポイントです。さらに幸せを感じること、規則正しい生活を送ることも、酵素の活性化につながります。
(自然免疫力を高める栄養素)(新谷)
「食品に含まれる栄養素」4グループ
Aグループ 水、酵素
Bグループ ミネラル、ビタミン
Cグループ ファイトケミカル、食物酵素
Dグループ 糖質、たんぱく質、脂質
この中で積極的に栄養補給したいのが、A~Cグループでしょう。これらのグループの栄養素には、いずれも細胞内のゴミを取り除き、自然免疫力を高める効果があります。そして、これらの栄養素を過不足なく含んでいるのが、植物性の食品なのです。
[水と酵素]
本来これらは、必須栄養素としてとらえるべきものです。水と酵素をいかに正しく、いかに効率よく補給するかを考えることは、栄養学の基礎中の基礎になる事柄といえるはずなのです。
私たちは、一日に2,5リットルもの水分を、尿や汗として排出しているといわれます。この水をきちんと排出しなければ、体内の衛生状態が悪化していき、腸で発生した有害物質が体液全体を酸化させてしまいます。
一日当たり1~1,5リットルの水を飲むことは、私たちの体が必要としている水分量が一日当たり2,5リットルであることからきています。水分は食べ物から1リットルほど取り入れられるため、残りの量の水を飲むことで補うのです。
また、常温の水を飲むことも大事なポイントです。冷やした水や氷の入った水は、そのまま飲むと腸が冷え、腸内で働く免疫細胞の働きにも支障が出てしまうからです。
こうした大事な水分を水以外の飲料で補給していることが問題。
清涼飲料水、、、糖類の大量摂取、、、
コーヒー、紅茶、お茶類、、、カフェインで、摂取した以上の水分排出、、、
細胞内の掃除にならない。
水は水として摂取することが、体にとって一番自然なことなのです。
水は、還元作用の高い水を飲む。
「還元」とは酸化と正反対。酸化が体の組織・器官をサビつかせ、生命を老化させる方向に働くのに対し、還元には体のサビを取り、生命を蘇生させる作用があります。私たちの体が必要としているのは、こうした生命を蘇生させる水なのです。
ではどんな水をとればよいのでしょうか。塩素で殺菌処理された水道水は、そのままでは還元力がとても低い水です。しかも塩素やトリハロメタン、鉛のような有毒物質も含有されています。質のよい浄水器を取り付け、これら有毒物質を取り除いて使用します。
また、還元力の高い水をつくる手段として、塩をひとつまみ加えるという方法もあります。ミネラルの含有量の多い自然塩を加えることで、水そのものの還元力が高まるのです。
すぐに準備できない人は、とりあえず市販のミネラルウオーターの中から、体に合ったものを選びましょう。
(酵素は生命力)(鶴見)
私たちの体の中には、必ず酵素が存在します。なぜなら、酵素がないと生きていけないから。食べたものをエネルギーに変えるのも、酵素。呼吸をしたり、手足を動かしたり、臓器をきちんと働かせたり、物事を考えたり、老廃物を体外に排出したりするにも、酵素の力がないとできませんーそう、私たちを生かすありとあらゆる力の源が、酵素なのです。
けれど、残念なことに、体内に存在している酵素には限りがあります。年を取り、使えば使うほど酵素は目減りしてしまうのです。だから、常に新しい酵素w補ってやる必要があります。そしてできる限り、酵素の無駄遣いtをやめなくいぇはなりません。それを知らないまま生活し、酵素が不足している状態wを続けていると、免疫力が低下し、体の不調にとどまらず、がんなど、さまざまな深刻な病気を引き起こす可能性が高くなります。
常に体に疲れが残っている、体のどこかしらが痛い、快便でない、体が冷えるなどという不調はもちろん、糖尿病や肥満、高血圧など生活習慣病やメタボリック症候群などが心配だとしたら、酵素をしっかりチャージする必要があります。
(酵素は第9番目の栄養素)(鶴見)
現在、たんぱく質、脂質(脂肪分)、ビタミン、ミネラル(無機栄養素)、食物繊維、水を7大栄養素とよんでいますが、これらと肩を並べる栄養成分が
ファイトケミカル(抗酸化物質として作用する、野菜や果物の色素や辛味成分)
そして「酵素」です。実際、栄養を取り入れた体を作るのも、毒素や老廃物を排出して病気を治すのにも、酵素が深く関わっています。
ここで最も重要なのは、「酵素は生きている」ということです。、、、いくら素晴らしい資材がそろっていても、「生きて」働く大工さんがいないと、家は建ちません。この大工さんの役目を、酵素はすべての生物の体内で行っているのです。、、、
酵素は現在わかっているだけでも、体内に1万3000種類以上もあるといわれています。種類が多いのは、一つの酵素は一つの働きしか行わないため。アミラーゼという酵素は炭水化物を、プロテアーゼはたんぱく質を分解しますが、アミラーゼがたんぱく質や脂質を分解することはありません。まるで一つの仕事しない職人のようですが、それぞれの酵素が忠実に自分の仕事を行ない、それによって整然とした生命活動を生み出しているのです。、、、
体の中では休むことなくさまざまな化学反応が繰り返し行われ、60兆個以上もの細胞の新陳代謝を促し、生命活動を生み出しています。酵素はまさに「触媒」です。それもある反応を行う場合、何年もかかるところを一秒で行ってしまうといわれるほどのすぐれたものなのです。化学反応の素であり、スイッチとなるのが、酵素なのです。
(酵素の量)(鶴見)
酵素は、体内にある「潜在酵素」と外部から取り入れる「食物酵素」の二種類に分けられます。
「潜在酵素」は、生まれたときから潜在的に持っている酵素ですが、年を取るに従い、減少していきます。また、酵素は体内で常に作り出させていますが、一日に作れる酵素の量は限られており、必然的に一生のうちで作られる酵素の量は限られてしまいます。
そこで、外部から「食物酵素」を取り入れる必要があります。文字通り、食物から酵素を取り入れるのですが、「食物酵素」にはその食物自体を自己消化するために「潜在酵素」を使わずにすむというよさがあります。
また「食物酵素」は、野菜や果物、肉や魚など、あらゆる動植物から得ることができますが、いずれも48度以上に加熱すると死滅してしまうという特性があります。そこで酵素を摂るには、どれも「生」で食べなくてはなりません。
(酵素の働き)(鶴見)
酵素の大きな働き、それは
「消化」と「代謝」です。
それぞれ「消化酵素」と「代謝酵素」と呼ばれ、両方で人間の生命活動のすべてを司っています。
消化器官内において分泌される「消化酵素」は、口にした食べ物を消化し、吸収する働きがあります。、、、
一方、生命を維持するのに不可欠な「代謝酵素」は、消化後、腸壁で吸収された栄養分子をエネルギーに変換させるという働きがあります。免疫や自然治癒力の維持をはじめ、細胞の修復、神経やホルモンのバランス調整、代謝促進など、ありとあらゆることを行います。
しかし、困ったことに「消化酵素」も、「代謝酵素」も、一定量の範囲内でしか作られません。
「潜在酵素」を「消化酵素」として大量に使ってしまうと、その分、「代謝酵素」が減り、当然、その働きの一つである免疫力弱まってしまいます。
つまり、食事から十分な量の酵素を摂らないと、消化のために「潜在酵素」が使われてしまい、代謝がおろそかになるということです。免疫のみならず、細胞の再生やエネルギーの産出、運動も、排泄も、そして解毒もすべて「代謝」行為です。これがおろそかになるということは、病気に直結してしまいます。
そこで積極的に「食物酵素」を摂って補わなくてはなりません。だからこそ、「生食」をおすすめしているのです。
* 牛乳が体にいいと思っている人は多いでしょう。
けれど、牛乳の撮りすぎはじつは体によくありません。、、、骨折しやすい、、、前立腺がんになりやすい、、、
さらに、日本人には分解酵素ラクターゼが少ないため、牛乳を飲むとおなかの調子が悪くなる人も多くいます。
健康になりたくて牛乳を飲んでいたのなら、もうやめること。牛乳は積極的に飲まないほうがいいでしょう。
(酵素と免疫・老化)(鶴見)
人の体は100万もの異なった化学反応を行う。、、その反応すべてに関与しているのが酵素です。血圧を調整したり、けっせんを取り除いて血管をきれいにしたり、思考したり、筋肉を動かすのにも酵素が関わっています。
外部から侵入してきたウイルスやがんの芽を攻撃し、健康を守る免疫機能も、酵素なくして働きをなしえません。病原体などの異物を食べる白血球(マクロファージ)の内部には酵素が待ち構えていて、捕まえたウイルスなど、異物を分解するのも酵素だからです。自然治癒力、つまり免疫力の要は酵素であるといっても過言ではないのです。、、、
ところが困ったことに年を取るに従って潜在酵素は次第に減少し、活性が低下していきます。、、、尿に混ざっているアミラーゼ(酵素の一種)が、老人では若者の半分しか活性していない、、、
老化とは体内酵素の衰弱そのものであり、生命活動を支えている酵素が力をなくせば、さまざまな支障が生じてくるのは当たり前のことでもあるのです。
(酵素と生理リズム)(鶴見)
一日の中では、「朝起きて、昼に活動し、夜は寝る」基本的なサイクルがありますが、体の生理リズムも同様で、人間には消化や代謝にそれぞれふさわしい時期がある、、、
1 排泄の時間(午前4時から昼12時まで)
からだの毒素を出しきって、排泄を促す時間です。排泄に酵素を使っているので、ここでしっかりした食事は禁物。、、、胃や腸などの消化器官はまだ目覚めていない状態です。内臓がフル稼働を始めるのは、起床後3時間ほど経ってからだといいます。
2 栄養補給と消化の時間(昼12時から午後8時まで)
朝、起きてから少しずつ臓器の働きがよくなり、正午をこえたあたりには消化能力は上がっていきます。、、、
消化酵素も活発に働き出すため、食事を摂るならこの時間帯がベストです。
3 吸収と代謝の時間(午後8時から午前4時まで)
昼に摂った栄養素が消化・吸収され、全身に回っている時間帯です。体のなかでは新陳代謝が活発に行われ、古くなった細胞の再生や新たな酵素の生産、体内の老廃物の排泄の準備をしています。
また、午後8時を境に、消化活動から代謝活動にうまくバトンタッチさせることが重要です。これがうまく行われると、代謝活動もうまく働くため、免疫力はアップします。できるだけ午後8時以降は何も食べないよう、心がけてください。
(酵素を摂る方法)(鶴見)
食物から上手に酵素を摂るには、次の三つのほうほうがあります。
1 低速圧搾ジューサーで生ジュースを作る。(回転が速すぎると細胞が壊れてしまう)
2 おろす(大根やかぶ、にんじん、セロリ、きゅうり、玉ねぎ、しょうが、わさび、にんにくなど) おろすころで、ざくざく切って食べるのに比べて酵素が一気に増える。
3 よくかむ(唾液と混ざり合い、アミラーゼという消化酵素が出る)
素材としてすすめるのは、 果物(バナナやパイナップル、パパイヤなど、南方系は極めて酵素が多い)
生野菜
です。このほか
ピクルス、漬け物(キムチを含む)、納豆、生みそ、甘酒
などの発酵食品は、優秀な酵素の補給食品です。
(酵素の無駄遣い)(鶴見)
1 食べ過ぎ
2 「食則寝」 食べて直ぐ寝る
3 とくに三大栄養素の摂り過ぎ 炭水化物、たんぱく質、脂質 いずれも多くの消化酵素を消費
足りないと、消化不良、吸収不全、異常発酵、障害の発生
体によくない油
1 トランス脂肪酸 マーガリンやショートニングの原料
2 酸化した油脂
3 過剰なリノール酸油
体にいいのは
1 天然の青魚
2 亜麻仁油、エゴマ油、シソ油、
3 アーモンド、クルミ、ビスタチオなどのナッツ類
加熱しても酸化しにくいのは
質のよい菜種油、フレープシード油、玄米油、新ベニバナ油、ゴマ油
体の中で腐敗し、免疫力の低下につながる
1 砂糖
2 肉や魚などの動物性たんぱく質
3 食品添加物
酵素を阻害し、免疫力を低下させる西洋薬
(七つの約束)(鶴見)
食事を中心に、生活習慣を見直していけば、、、
1ヶ月もしないうちに、
酵素による
免疫力アップ効果が実感できるはず。
約束1 食事な生野菜から
食事の始めには、生野菜や果物を口にしましょう。酵素は、生野菜や果物に多く含まれており、最初に酵素を胃に入れておくことがその後の消化を助ける最強の力となります。
約束2 朝食は生野菜や果物
朝は生野菜や果物だけで十分です。朝、しっかりした食事をすると、せっかく睡眠で半断食状態になっていた胃に、いきなりたくさんの仕事をさせることになり、、、酵素を大量に消費、、、
約束3 食物繊維を摂る
海藻やキノコ類、ごぼう、さつまいもなど。これらは便の素となり、腸を元気にしてくれる大切な食べ物です。
約束4 体を温める
体が冷えていると、血液循環が滞り、全身に栄養を運べないばかりか、老廃物が多く体にたまったままになってしまいます。
約束5 食べすぎでいいことは何もありません。消化に酵素を多く使うし、消化しきれなかった腐敗物が腸内を悪化させ、免疫力低下につながります。、、いつも「腹六分目」に、たまには断食も、、、
約束6 良質な睡眠
体内の酵素は、寝ている間に作られている。 良質な睡眠は、酵素作りに欠かせない大切なもの。代謝を促し、新しい細胞を生み出しているのも、睡眠時です。
約束7 活性酸素を除去
酵素の働きを阻害し、浪費するのは、ストレスや喫煙、お酒の飲み過ぎ、睡眠不足などです。どれも、老化の原因となって体に有害な「活性酸素」を増殖させてしまい、せっかくの酵素を使えなくしてしまいます。
活性酸素の働きを抑える最強の味方、水素 水素は食物などから簡単に撮れないのが難点ですが、最近は質のいいサプリメントが登場しています。興味のある人は試してみてください。そしてそのパワーのすごさに驚いてほしいと思います。
(酵素は不可欠)(新谷)
酵素は、私たちの生命維持に欠かせない物質で、体内のあらゆる化学反応の仲介役として働いています。この仲介役のことを触媒と呼びますが、触媒がなければ、化学そのものが成り立ちません。たとえば、食事で取り込んだ栄養素を、胃の中で分解するのも酵素です。しかも、たんぱく質を分解するのと糖質を分解するのは、別の酵素が担当します。そのため体内には、5000種類以上の酵素が活動していると考えられています。
細胞内のゴミを取り除く役割も、酵素が担っています。酵素がきちんと働いてくれるおかげで、細胞はつねにみずみずしさを保つことができるのです。
すぐ病気にかかったり、体調不良に陥ってしまったら、それは体内の酵素量が不足しているか、その動きが鈍っているからだと考えられます。
(酵素の補給)(新谷)
酵素は生命のみなもとですから、当然植物にも含まれます。植物の9割は、液胞という、水分の詰まった袋のような器官で占められています。しかしこの袋の中には、ただ水がたまっているだけでなく、多数の解毒分解酵素が含まれているのです。また、果実の実が熟し甘くなるのも、実に含まれる酵素の強力な分解作用によるものです。
風邪をひいたり、疲労がたまってしまったときに、新鮮な果物や野菜を食べると、生気がよみがえった心地がします。これは、果物や野菜を食べることにより、体内にたくさんの酵素が補給できたからです。
ただし、ここで注意したいことは、食品を加熱せず、生で食べる習慣をつけるということです。酵素は熱に弱いため、食品を加熱してしまうと、その働きが一気にダウンしてしまいます。生の食品を摂取したほうがいいのはこのためです。加熱した食品の割合が多くなるほど、酵素補給は難しくなってしまいます。
[ミネラルとビタミン]
これらの栄養素は、酵素の働きを助けることから、「補酵素」と呼ばれます。酵素を生命活動の主役と考えると、ミネラルとビタミンは、酵素の働きを助けるサポーター役と位置づけられます。
ミネラルの役割はそれぞれ異なりますが、どれも生命活動の調整役をつとめています。カルシュウムやマグネシュウム、カリュウムといった主要ミネラルはもちろん、圧倒的に必要量が少ない、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレンなどの微量ミネラルについても同じことがいえます。量が多いほうがより重要なのではなく、微量でもそれぞれ必要な役割があり、体内で働いているのです。
ですから特定のミネラルだけでなく、どのミネラルもすべてとることが重要となります。この条件を満たしているのが、野菜や果物などの植物性食品です。また、化学精製していない天然の塩も有効です。
ビタミンも、生命活動の調整役というてんでは、ミネラルと同じような役割を担っています。
ビタミンはミネラルのように無機質ではなく、いくつかの元素からつくられた有機成分です。しぁし大まかには、ミネラルと同じ仲間ととらえていいでしょう。
特筆される作用は、、、抗酸化作用と呼ばれるものです。主にビタミンCやE、B群などに備わっている、体のサビを取り除くさようです。体のサビは、酸化という言葉で言い替えることができます。体内の酸化が進めば、細胞の働きが鈍り、免疫力が低下してしまいます。
[栄養補助食品]
必要な栄養素は、本来食べ物からとるのが理想ですが、実際には難しいといわざるを得ません。とくに野菜や果物に関しては、農薬や化学肥料に依存した農業の影響もあって、栄養素がかなり低下しています。とくに酵素や補酵素の量は、昔よりかなり少なくなっています。
それを補うためにサプリメントを活用します。私がお勧めするのは、
1 酵素
2 マルチミネラル・マルチビタミン
の二つのサプリメントです。
ミネラルとビタミンはバランスよく配合された総合サプリメントで幅広くとるほうが、体にとってプラスに作用しやすい。
[ファイトケミカル]
カテキンやイソフラボン、アントシアニン、これらはファイトケミカルのひとつであるポリフェノールの仲間です。また、βーカロテンやルティン、リコピンといった成分も、ファイトケミカルのひとつカルテノイド類じ分類されます。
ファイトケミカルは、植物特有の成分ですー植物の香りや苦み、色素などのもとになっている成分で、1万種類以上存在するといわれています。ファイトケミカルを摂取するということは、植物の生命力を、体内に取り入れるということなのです。
栄養学的な面からいうと、ファイトケミカルは、酵素の調整役であるミネラルやビタミンのさらに補佐役といった存在としてとらえることができます。
(ビタミンC療法)(安保)
ビタミンC大量点滴療法は、その名の通り、ガン患者に大量のビタミンCを点滴投与するもので、ノーベル賞を二度受賞したアメリカの医師ライナス・ポーリングが考案したことで知られます。、、、
ビタミンCは、食べ物から摂取した糖を細胞に取り入れる際に使われていますが、使用後のビタミンCは酸化してしまうため、細胞内のミトコンドリアで処理しなければなりません。しかし、ガン細胞にはミトコンドリアが極端に少ないため、この処理がうまくできないのです。
つまり、ビタミンCを大量に点滴投与していけば、ガン細胞にのみ酸化物が蓄積していくことになります。この結果、他の細胞に悪影響を与えることなく、ガンだけを選択的に死滅させることができるわけです。
(腸の免疫機能)(松生)
腸には全身の免疫機能の約6割が集中している。、、、腸は人体最大の免疫系となっており、これを「腸管免疫」と呼びます。
腸内に棲息する常在菌は、腸管免疫の力の程度、つまり「腸管免疫力」に深く関わっています。腸内環境をよくする善玉菌が多いと腸管免疫力は高まり、腸内環境を悪化させる悪玉菌が多いと腸管免疫力は下がると言われています。免疫力が低下すると、ウイルスや細菌などの病原菌を攻撃して無害化する力が弱まり、病気になってしまうのです。
それに加えて、最近、小腸の「バイエル板」という部位を中心とする腸管免疫力のすぐれたパワーが明らかになってきています。その力を高めるのが、「グルクミン」です。
人の体の中で、脳の次に神経細胞が多い器官は腸です。脳には神経細胞が150億個以上あるとされますが、腸にも約1億個の神経細胞が存在すると考えられています。
そのため、腸は「セカンド・ブレイン(第二の脳)」と呼ばれています。
ストレスがあると、腸に何らかの症状が出やすくなる、、、同じように、脳(精神)の不調に対しても脳が敏感になり、それが精神的な不調を引き起こしてしまいます。最初はストレス状態から始まり、腸の症状が重くなるにつれ、うつ症状、さらにうつ病へと移行する場合もあるのです。
腸管の内側のひだの中には、100兆個もの常在菌が存在し、その種類は400種にものぼると考えられています。
腸内環境に及ぼす影響から大別すると、
1 善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌など)
2 悪玉菌(ウエルシュ菌など)
3 日和見菌(状況に応じて善玉になったり悪玉になったりする菌)
に分かれます。各菌のバランスは、善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%くらいがよいとされています。
便秘などで腸に老廃物がたまらず、腸内環境が良好であれば、腸内細菌のバランスもよく、それに応じて免疫力も高まります。
逆に、腸内環境が悪いと、悪玉菌が増え過ぎ、腸内細菌のバランスが崩れて免疫力も低下してしまうのです。
ただし、腸内で常在菌が存在するのは、おもに大腸内です。一方、小腸内は無菌ではないものの、腸内細菌は少なめです(ビフィズス菌、ユーバクテリア、ストレプトコッカスなどが少量存在)。
では、小腸は免疫機能に関係ないのかと勘違いがちですが、そうではありません。
この小腸こそが、腸管免疫の中枢を担っているのです。
(小腸の免疫力)(松生)
腸管の粘膜には、腸特有のリンパ組織(免疫機能をになうリンパ球が集まる部位)があり、「腸関連リンパ組織(GALT)」と呼ばれ、その容積は腸の25%にも及びます。、、、
腸関連リンパ組織を構成するのは、
1 「バイエル板」と呼ばれる組織(小腸のみ)
2 腸管上皮組織とそこに存在する上皮細胞間リンパ球(小腸、大腸)
3 粘膜固有層とそこに存在する粘膜固有リンパ球(小腸、大腸)
などです。
この1~3の組織に、全身のリンパ球の60%以上が集結しているのです。
なかでも、その主役をになうのが「バイエル板」です。
腸の内腔(内側の空間)と接するバイエル板の入り口には、M細胞という組織があります。
口から侵入した異物や病原菌は、食道と胃を経て小腸に達すると、まずこのM細胞が免疫機能を発揮して動き出します。
M細胞は、病原菌などをバイエル板の中に取り込むように働き、それを察知したバイエル板の中の免疫細胞群(抗原提示細胞、リンパ球T細胞、リンパ球B細胞)が、病原菌を攻撃するための抗体である免疫グロブリンAという物資を作ります。、、、小腸で作られる免疫グロブリンAは、全身の免疫抗体の約60%を占めると言われています。、、、
よって、「腸管免疫力を高める」ためには、小腸と大腸の免疫反応の違いを知り、それに応じたケア法が必要になるのです。そして、その大きなポイントになるのが、グルタミンなのです。
(腸内環境の激変)(松生)
最近、日本人の腸の状態が悪化傾向にあるのをご存知でしょうか?
それにともなって腸の不調や病気が増えており、便秘や下痢などの困った症状から、潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸ガンなどの重い病気まで多岐にわたります。、、、その大きな原因が、
(1)食生活の大きな変化
(2)体内リズムの乱れ
(3)ストレス
(4)運動不足
にあると考えています。
1 食生活の大きな変化
食物繊維や植物性乳酸菌の摂取量が減った、、、
2 体内リズムの乱れ
昼夜逆転の生活、朝寝坊、朝食抜き、不規則な食事時間、夜遅い食事、便意の我慢、夜更かしなど、、、
3 ストレス
身体的ストレスは、寒暖の変化、騒音、空腹などから生じるもの、一方、精神的ストレスは、仕事上のプレッシャー、職場や家庭での人間関係の悩み、将来や老後への不安、、、腸は、このようなストレスを敏感に察知します。
4 運動不足
体を動かす機会が少ないと、腸の働きがにぶってきます。消化・吸収力が低下し、ぜん動運動もスムーズに起こりにくくなり、便秘や腹部膨満感などにつながります。また、大腸ガン(結腸ガン)の発症リスクに運動不足やメタボリックシンドロームが関係していることが、近年の調査研究によって指摘されています。
(免疫機能を支えるグルタミン)(松生)
腸管免疫力を高めるために、いとばん意識してとりたいのは、「グルタミン」です。
グルタミンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種で、私たちの身近にある食品では、生魚、生肉、生卵、発芽大麦などに豊富に含まれています。
現在までに明らかになっているグルタミンの働きをまとめると、次の五つが挙げられます。
1 小腸粘膜の最大のエネルギー源になる
2 大腸粘膜で二番目に重要なエネルギー源になる(一番目は酪酸)(食物繊維が分解されてできる成分)
3 リンパ球などの免疫細胞の発育と増殖を促して、免疫力を高める
4 抗うつ作用がある
5 傷口が治るのを促進する作用がある
小腸には、免疫力をになう全身のリンパ球の60%以上が集中しています。その人体最大の免疫器官である腸を動かす栄養分となり、さらにリンパ球そのものの栄養分にもなるのが、グルタミンです。
そのため、体内のグルタミンが不足すると、免疫力も低下してしまいます。逆に、グルタミンを意識してとっていると、病原菌の侵入などの異常事態が起こったときに免疫機能が活発に働き、病気になりにくいのです。
このメカニズムでグルタミンとともに働くのが、名前がよく似ている「グルタミン酸」です。グルタミン酸は、小腸の酵素などによってグルタミンからも分解されますが、食品としては、昆布、かつお節、干し椎茸などに含まれ、和食の「旨味」を作る成分です。グルタミンとグルタミン酸を意識してとると、腸管の働きがますます高まります。
鳥の働きをよくして排便を促したり、腸内の善玉菌を増やしたりする栄養素を、グルタミンと組み合わせてとることが大事です。そうすることで、腸管の働きが活発になります。便秘や下痢で困ることがなく、風邪からガンまでのさまざまな病気になりにくい、強い免疫力を持った体が作れるのです。
グルタミンに加えてとりたい栄養素は、オレイン酸、植物性乳酸菌、食物繊維、マグネシウム、オリゴ糖、ビタミンCなど、また、ペパーミントなどのハーブやスパイス、水も腸管の働きをよくしてくれます。
オレイン酸 オリーブ油、とくにエクストラヴァージンのオリーブ油
植物性乳酸菌 人の体の中でも生きて腸に届く 野菜の漬けもの、味噌、しょうゆなど キムチ、甘 なども
食物繊維 (水溶性 ) 海藻、こんにゃく、果物、納豆など (不溶性 ) 野菜(歯ごたえのあるもの) 豆類、玄米など未精製穀物 いも類、きのこ、おから 納豆など
バランス 不溶性2 水溶性1
マグネシウム 一日に最低一回は次の食品 大豆製品 ナッツ類 海藻 ごま 玄米 さつまいも 緑の野菜
オリゴ糖 善玉菌のビフィズス菌の栄養源 市販の甘味料 玉ねぎ にんにく バナナ りんご はちみつ 大豆製品
ビタミンC 大腸のぜん動運動を活発に 赤い野菜 緑の野菜 アブラナ科の野菜(ブロッコリーなど)
果物(キウイ、かんきつ類など)
ハーブ・スパイス なかでも、消化機能を高めて腸を健康にするものとしては、ペパーミント(和名:ハッカ)としょうがが高い効果を期待できます。
水 朝、起床後にコップ一杯の水を飲む便秘解消法は腸の動きからも理にかなっています。からっぽの胃に水が入っていくと大腸が刺激され、ぜん動運動が促されて排便スイッチが入るのです。
{体温}
(あなたの平熱は?)(斎藤真嗣)
健康な人の平熱は、36,8度±0,34度、つまり、36,5~37,1度の間が健康体の体温です。
じつはいま、平熱が36度以下という「低体温」の人がとても増えています。
低体温は、体にとってとても危険な状態です。
低体温は、放っておくと、さまざまな病気を招く状態です。
肌荒れ、便秘、歯周病といった比較的軽い症状から、胃潰瘍、糖尿病、骨粗鬆症、潰瘍性大腸炎、ガン(悪性腫瘍),メニエル病、間質性肺炎、パーキンソン病、認知症といった深刻な病気まで、さらには喘息、アトピー、花粉症といった一度発症すると完治が難しいアレルギー疾患によって発症・悪化する危険性があるのです。
では、なぜ「低体温」になってしまうのでしょう?
そもそもの原因は「ストレス」です。
ストレスには、身体的ストレス、精神的ストレス、環境ストレスなどいろいろなものがありますが、大きく分けると
一過性の「小さなストレス」と
慢性的 に続く「大きなストレス」に
分けることができます。
でも、わたしの体には、そうしたストレスに対処し、健康を保つための機能が二つ備わっています。
一つは自律神経のバランスです。私たち人間の体は、「交感神経」と「副交感神経」という二つの自律神経が交互に体を支配することでバランスをとっています。、、、さまざまな病気から守ってくれる免疫システムも、この自律神経のバランスのもとで機能するようにプログラムされているのです。
もう一つの機能は、体を構成している細胞が受けたダメージ、つまり体の内側で生じるストレスに対して働きます。これがホルモンバランスです。これを司っているのが、「副腎」で細胞がダメージを回復させるという役割を担っています。
自律神経のバランスが崩れると、血液の流れが悪くなり、血流障害から低体温になります。同様にホルモンバランスが崩れると、細胞の回復が遅くなり、細胞自体のエネルギーが低下するので、やはり低体温になります。
(体温と免疫力)(新谷)
体温は、免疫力に大きな影響を与えます。
体温が一度下がると、免疫力は30%も低くなります。免疫力が低下すると、バイ菌やウイルスから体を守れなくなったり、免疫の誤作動によって自分自身の免疫が自分の体組織を破壊して病気を引き起こしたりします。さらに、健康な細胞は低体温だと新陳代謝が悪くなるのですが、ガン細胞は、逆に35度台の低体温のとき、もっとも活発に増殖することがわかっています。
逆に体温が一度上昇すると免疫力はどのくらいアップするか。
驚くべきことに500~600%、つまり、体温がたった一度上がるだけで免疫力は五倍から六倍も高くなるのです。風邪をひいたときに発熱するのも、体温を上げて免疫力を高めようとする、体の防衛反応です。
低体温が免疫力の低下と病態のさらなる悪化を招く「負のスパイラル」を生み出すのとは反対に、体温の高い状態を意識的につくりだしいぇいけば、免疫力を高め、細胞のダメージを回復させることでホルモンバランスを整え、健康維持機能を正常な状態に保つことができるようになります。
(低体温を引き起こす原因)(斎藤・実践編)
低体温を引き起こす原因は、大きく三つあります。
一つは「筋肉量の低下」です。筋肉は体の最大の熱産生器官なのです。
二つめは「エアコンの普及」。エアコンが普及したことで、現代人は快適な生活環境を手にしましたが、同時に体温調整機能が低下してしまったのです。
そして三つ目が「ストレス」です。現代社会はストレス社会だと称されますが、、、
じつは、ストレスそのものが大きくなったのではなく、体がストレスに耐えられなくなったことが大きな要因なのです。、、、
低体温を克服するためには、一日一回は汗をかくような運動をし、体の最大の熱産生器官である筋肉の質と量をアップさせるとともに、副交感神経を刺激する生活習慣や食事を心がけることで、交感神経優位に過剰に偏った自律神経のバランスを整え、ストレスに耐えられる体をつくることが必要なのです。
低体温は、自律神経のバランスの乱れを知らせるアラームのようなものです。多くの人は病気になったときしか体温を測りませんが、健康なときの体温を把握しておくことのほうが、重要だと私は考えています。体重を日々量り、健康管理に役立てる人は少なくないと思いますが、体温こそ日々測って健康管理の指標の一つとして役立てていただきたいものです。
(ガンの自然退縮)(安保)
血液は、通常は
七・三五~七・四五の弱アルカリ性を示します。これが、ストレスによって赤血球がくっつき血液ドロドロになると七・三五を下回るようになり、酸性の世界に傾いていきます。
ガンの患者を調べると、例外なく七・三0以下であることがわかります。
それが、がんの患者の体を温めると、血液のペーハーもアルカリ性の世界に戻っていき、再び七・三五を超え始めると自然退縮がはじまります。ドロドロだった血液がサラサラになっていくことでガンも治癒に向かうわけです。
(低体温に加齢臭)(斎藤・実践編)
加齢臭はの正体は、脂腺から分泌されるパルミトオレイン酸が酸化することによって生じるノネナールという物質です。脂が酸化した物質が発するものなので、そのにおいはかなり強烈です。
じつは、加齢臭は、女性であっても発することが充分にありうるのです。
そして、低体温の人ほどそのリスクは高いのです。
加齢臭に悩んでいる人は、まず自分が低体温になっていないか確認してみてください。低体温を改善すれば、ホルモンバランスも自然と整っていくので、結果的に加齢臭も改善されていきます。
(薬剤ストレス)(斎藤・実践編)
さまざまなストレスの中でも、交感神経の過緊張をつくりだす要因として私がいまもっとも危惧しているのは「薬剤性ストレス」です。
たしかに薬は、正しくしようすればさまざまな薬効が期待できるものです。しかし、同時にさまざまな副作用を体に与えてしまう危険ももっているのです。とくに長期的に同じ薬の服用を続けることは危険です。
降圧剤、睡眠薬、睡眠導入剤、アレルギー薬(塗り薬を含む)、胃腸薬、こうし薬はすべて、常用すると交感神経を過剰に緊張させ、血行不良による低体温を招き、免疫力を大きく低下させることになります。
(薬に頼る?)(安保)
三十数年前にガンで亡くなる人は、年間約十三万人で、医者の数も約十三万人でした。ところが、医者の数が三十万人に近づいたいまは、なんと三十万人の人がガンで亡くなっているのです。、、、
現代医療が発達しても病気の数がいっこうに減らず、むしろ増加してしまっているのは、つらさや苦しさをもたらす病気を悪と見なし、この悪をいかに排除するかという発想に立っているからです。
なかでも問題となるのは、薬に頼りすぎる医療です。病院に行けば、大した症状でなくても必ず何らかの薬が処方されます。
薬局などでも手軽に薬が入手できるため、「病気になったら薬を飲むのは当たり前」という考えが世の中にはびこっています。
しかし、薬を飲んで症状が一時的に改善されたとしても、病気や体調不良の原因まで変えることはできません。ストレスやしんぱいごと、長時間労働、睡眠不足などはそのままですから、病気の原因になる低酸素の状態はずっと続きます。
これでは本当の意味で症状を治癒させることはできないでしょう。、、、
研究が進むのはいいことですが、それで病気を治せるというわけではないので、臨床をする医者は、ここでも対症療法に依存するようになる。その結果、医療全体が薬に頼りすぎる状態に変わっていくことになったのです。
内部環境の異常に対して細胞がガン化しているわけですから、これは適応現象の一つ。これがわかれば、当然、対処法も見えてきます。ガンの生きにくい条件に内部環境を変えていけば、体はそちらに適応していく。がんを叩かなくても勝手に増殖を止め、退縮していくことが自然な流れなのです。
ガンは、二十から五十代の調和の時代に無理をして、解糖系に依存した生き方を続けていたひとがかかる病気。この点を理解せず、ただガンという悪者を叩いてしまおうと抗ガン剤の投与を続けていれば、むしろその害で死期が早まるでしょう。
{運動}
(ジョギングよりもウオーキング)(小林)
ウオーキングのほうがジョギングよりはるかに健康効果は高いのです。ジョギングは運動量が大きいため、どうしても呼吸が早く、浅くなり、副交感神経のレベルを下げてしまいます。
とくに中高年は、そもそも副交感神経のレベルが低下しているので、それをさらに下げるような運動は、健康維持効果があるどこらか、かえって体を老化を老化へと追いやる可能性があるのです。、、、
「背筋を伸ばしてゆっくり歩く」というのが、自律神経のバランスを安定させる最高の歩き方なのです。
「背筋を伸ばす」のがいいのは、「気道」が開くからです。気道が開くと呼吸をしたときに肺に入ってくる酸素の量が増えます。
私たちの体というのはとても敏感で、入ってくる酸素の量が減ると、大切な脳に優先的に酸素を送るために全身の血管を収縮させ、あす。つまり、末梢へ流れる血流を制限することで、脳へ送る血流を増やすのです。そのため、私たちの体は、低酸素状態になると、末端が冷えたり、感覚が鈍くなったり、痺れが生じたりしてうまく動かなくなってしまいます。
逆に、入ってくる酸素の量が増えると、末梢の血管は拡張します。末梢の血管が拡張すると、隅々の細胞にまで血流とともに酸素と栄養が行き渡るので全身の動きがよくなります。
(ヨガがいい)(小林)
ヨガは古代インドで生まれた修行法です。古代の人たちは、なぜ「深い呼吸」がいいのかその理由はわからなくても、それが自分の心身に宿る潜在能力を引き出す最良の方法、つまり、深くゆっくりした呼吸が自律神経のバランスを整える最良の方法だということを、経験を通して知っていたのです。
なぜ、ヨガは健康にいいのか、それは、深い呼吸を通じて、自律神経のバランスを整えるからといえるでしょう。、、、
(「ゆっくり」がベスト)(小林)
自律神経がどのような状態にあるときがベストなのでしょうか。
それは、交感神経と副交感神経の両方が高い状態にあるときです。現代の日本においては、多くの人は交感神経が高めの状態にあるといえます。そして、副交感神経が下がったままの状態で生活している人が圧倒的に多いのです。
つまりは、「副交感神経を高い状態に保つこと」が健康な人生を生きることにつながり、自分の能力を最大限に発揮できるように導いてくれるのです。、、、
一つは、副交感神経を下げてしまうことをやらないこと。
もう一つは、副交感神経が上がることを積極的に行うことです。
そして、このふたつに共通するキーワードこそが、実は「ゆっくり」なのです。
たとえば、ゆっくりとした呼吸は副交感神経を高める方法の一つなのですが、その反対の浅く速い呼吸は、副交感神経を低下させる働きを持っています。
実際、どんな動作でも「ゆっくり」行うように心がけるだけで、副交感神経の低下をふせぎ、場合によっては副交感神経を高めることもできます。
(免疫力を高める「運動・「食事」「睡眠」)(斎藤・実践編)
免疫力を高めるためにすべき行動は三つあります。「適度な運動」、「体にいい食事」、そして「質のいい睡眠」です。これを「フィジカル・トライアングルと呼んでいます。フィジカル・トライアングルのバランスが整えば、免疫システムは理想的な状態で機能し、トライアングルの中のどれか一つでも欠けたり突出したりすれば、免疫システムに乱れが生じて免疫力は低下します。
(適度な運動 三つの効果)(斎藤・実践編)
適度な運動とは、どのようなことをどれぐらいすればいいのか、、、基本は「体幹」
と総称されるインナーマッスルを鍛えlことです。
一つは、、、大きなインナーマッスルを鍛えると、基礎体温が上がるので、体温が上がるともに肥満になりにくくなります。
インナーマッスルを鍛えるもう一つの目的は、姿勢を正しい位置に保つことです。私たちの体は正しい姿勢のときに、血行やリンパなど循環系がもっともスムーズに流れるようになっています。栄養を全身に行き渡らせるのも、老廃物を排泄するのも、免疫細胞を必要なときに必要な場所に運ぶのも循環系の働きです。
ですから、インナーマッスルを必要な鍛え、姿勢を正しい位置にキープすることは、デトックス効果を高め、免疫力を高めることにつながるのです。
そして三つ目の目的は、アンチエイジングホルモンの一つ「成長ホルモン」の分泌を促すことです。
成長ホルモンは、その名のとおり成長期に多く分泌され、骨や筋肉の成長を促すホルモンです。
成長ホルモンの分泌のピークは二十歳、その後は加齢とともに少しずつ低下していきます。いくら適度な運動をしてもその低下を完全に食い止めることはできません。それでも大幅に遅らせることはできます。
ほかにも最新の研究によって、成長ホルモンが増えることによって脳の神経細胞の中でも記憶力に関わる「海馬」の細胞が増えることがわかってきています。つまり、適度の運動を心がけることで、糖尿病を予防するとともに、加齢によって衰えがちな記憶力をアップすることができるのです。
(スロトレ)(斎藤・実践編)
安全に、かつ効率よく成長ホルモンの分泌を促すトレーニング法として私がお勧めしているのが、「スロトレ」です。
スロトレは、筋肉を鍛えることによってアンチエイジングホルモンの一つである成長ホルモンの分泌を促し、体温を恒常的にアップさせることを目的としたトレーニングです。
ゆっくり時間をかけて行うことで、負荷が大きいいと錯覚した筋肉は、乳酸がたまったときと同じように、脳に「成長ホルモンをたくさん出してください」と連絡します。その結果、成長ホルモンの分泌量が増え、筋肉を効率よく鍛えられるというわけです。
[スロトレのやり方]
1 スローヒップアップ 仰向けに寝て膝を立て、ゆっくりお尻を上下する。
2 すろープッシュアップ ゆっくり行う腕立て伏せです。
3 スロースクワット 胸を張ったまま、ゆっくりしゃがみ込む。
それぞれの各動作は10回ずつ。注意点は二つ
一つは、動作の際、関節を伸ばし切らない。「ノンロックスロー」といい、効果を高める。
二つ目は、動作の間に30秒のインターバルを設ける。運動直後に成長ホルモンの分泌量が増える。
スロトレは、各動作10回を3日に1度ほど行うのがベストです。
もしも、毎日トレーニングしないと落ち着かない人は、トレーニングする筋肉を変えてください。たとえば、月曜日はヒップアップ、火曜日はプッシュアップ、水曜日はスクワットを行い、木曜日は再びヒップアップというように、、、筋肉に過度のダメージを与えないように。
(体温を上げる)(斎藤)
体温を恒常的に上げるもっともよい方法は何だ?
それは、「筋肉を鍛える」ことです。「筋肉を増やす」のではなく「筋肉を鍛える」こと。
筋肉は最大の熱産生器官です。男性より女性に冷え性の人が多いのも、女性のほうが、筋力が低いからなのです。
低体温が細胞レベルで体にダメージを与えているということは、たんに病気になりにくい というわけではなく、細胞レベルからあなたを若々しくしてくれる、アンチエージングのとっておきの秘策でもあるということです。
つまり、体温を恒常的に高くすることは、病気の人を健康に、体調のすぐれない人を元気に、そして健康な人はより美しくなる「万能の健康メソッド」なのです。
(筋肉運動の効能)(石原)
筋肉は、男の体重の約36%,女性の体重の約36%もあり、人体最大の器官。また、体温の約40%を産生する人体最大の産熱工場である。
よって、体を温めて、体温を上げるには、筋肉運動や労働をすることが一番肝要だ。
日本人の体温が、この50年間で約1度C下がったのは、交通機関の発達やマイカーの普及、電気掃除機や洗濯機の普及で、歩行や筋肉労働で筋肉を使う機会が激減したことが主な原因である。
[スポーツ生理学による効能]
1 免疫力を上げる
2 心臓・循環器系の働きを助ける
3 骨粗鬆症の予防・改善
4 海馬領域の血流をよくして、認知症予防をする。
5 糖尿病の予防、改善
6 うつの改善
7 大腸ガンの予防
[疫学調査・臨床実験による効果]
1 死亡率の低下
2 ガン予防
3 脳卒中予防
4 脳の老化を防ぐ
5 血圧の低下
6 骨折の予防
7 加齢による「体力低下 気持ちを強くし、「うつ」を改善
(筋肉運動のやり方)(石原)
1 ウオーキングに負荷運動を加える
ウオーキングを毎日することを基本として、週2回、水泳、ハイキング、テニス、ダンベルなどの負荷運動を加えて、筋肉に刺激を与える
2 スクワット
水泳やテニスなどの運動の習慣がない人は、スクワットがよいだろう。スクワットで膝や腰に痛みが出る人は、ももあげ運動でよい。
肩幅よりやや大きく下肢を開いて立ち、息を吸い込みながら胸を張り、お尻は後ろにつき出しながら、しゃがみ込む。息を吐きながら元の姿勢に戻るという動作を10回くり返し(1セット)、息が整うまで休んだら、同じことを3セットくりかえす。
3 腹筋運動
「腹筋」は、健康・長寿にきわめて重要な筋肉である。
腹筋が弱ると、熱産生が低下し、おなかが冷えて、胃腸、肝臓、、、子宮、卵巣などの内臓諸臓器の働きが低下する。さらに、腸の中には全身のリンパ球(白血球)の70%が存在しているほど、ある意味、免疫の中枢でもある。よって、お腹が冷えると免疫力が落ちる。
よって、腹筋の弱い人は早死するのであろう。
誰でもできる腹筋運動として、仰向けに両下肢をそろえて寝た姿勢から、両膝を曲げて大腿部を腹に近づけ、その後、伸ばして、元の位置に戻す(1回)動作を10~15回(1セット)し、しばらく休んで3~4セットくり返す運動をするとよい。
4 ハラマキ着用のすすめ
腹筋は「自然のハラマキ」であるが。腹筋の補助アイテムとして、是非、一日中、一年中、ハラマキを着用されることわおすすめしたい。
頭痛、頻尿、下痢、生理痛、冷え、糖尿病、母乳の出、、、など、よくなった、、、
たくさんの内臓が存在し、ある面での免疫のお腹=お中(体の中心)を温めると、思いがけない恩恵を受けられるものだ。
(運動とSOD)(斎藤・実践編)
私たちの体はいろいろな種類の抗酸化酵素をもっていますが。その中でも代表的な抗酸化酵素「AOD」は加齢とともに低下します。これは事実です。だからこそ、老化は避けられないのです。
でも、たった一つだけ、このSODの生産量を増やす方法があります。
その方法とは「運動」です。
体が温まり、汗はかくけど苦しくてゼイゼイいうほどではない。
そんな適度な運動がSODの生産量を増やす方法なのです。
(運動と意識)(斎藤・実践編)
運動は動きが同じでも、どこの筋肉を意識するかで、効果は変わってきます。たとえば、同じ腕立て伏せでも、上腕筋を意識すれば上腕を背中の筋肉を意識すれば背中を、胸の筋肉を鍛えることができます。、、、
同じ汗をかくのでも、無意識にかく汗と意識してかく汗とでは、デトックス効果に大きな差が表れます。無意識にかく汗は、表層にある汗腺からでる汗であるの対して、意識してかく汗は、深層にある脂腺から出ています。
(腹式呼吸)(斎藤・実践編)
もっとも基本的な 運動、それはこきゅうです。呼吸はわたしが生きているかぎり、いっときも休むことなく続けている運動です。しかし、私たちはふだん呼吸を「運動」として意識することはほとんどあいません。、、、
そうした意識することなくしている呼吸は「胸式呼吸」といって、肋骨を広げることで肺に空気を取り込む呼吸法です。
このほかにもう一つ、「腹式呼吸」といって、横隔膜を上下させることで肺に空気を取り込む呼吸法も古くから行ってきました。ヨガの呼吸法や釈迦が瞑想するときに用いたのがこの横隔膜を動かす「腹式呼吸法」です。、、、
私たちが日々無意識で行っている胸式呼吸は、自律神経のバランスでいうと、やや交感神経優位の運動です。ところが同じ呼吸法でも「腹式」は自律神経のバランスを、大きく副交感神経に変えることができるのです。、、、
でも、ただ腹式で息を吐けばいいのかというと、そうではありません。副交感神経を刺激する呼気のポイントは鼻で行うことです。
口呼吸は、空気とともに吸い込んだ細菌が口粘膜についてしまうので、免疫力を低下させることがわかっていますが、同時に交感神経を刺激するので、交感神経の過緊張を招きやすく、二重の意味で免疫力を低下させてしまいます。
これに対し、
鼻呼吸は細菌の侵入を防ぐとともに、副交感神経を刺激するので、結果的に免疫力アップにつながるのです。
(乾布摩擦)(斎藤・実践編)
樹状細胞を活性化させる方法、それは乾布摩擦です。
樹状細胞は、皮膚にある免疫細胞(ランゲルハンス細胞)を刺激することでも活性化するのです。そして、ランゲルハンス細胞を刺激するもっともよい方法が、日本古来の健康法「乾布摩擦」だったのです。
{体温}2
(入浴健康法)(石原)
体を温めるための一番手っ取り早い方法が入浴である。入浴の効能としては次のようなものがある。
1 温熱作用
温熱による血管拡張作用で血行がよくなり、人体60兆の細胞への栄養補給、老廃物の運び出しを促し、疲労回復、体力増強につながる。
2 皮膚の汚れをとる作用
3 静水圧の効果
下半身は水の重さ(静水圧)で圧迫されるので、下半身の血液の心臓への戻りがよくなり、、、全身の細胞への酸素、栄養の供給が増す。また、腎血流量も増えるので、尿の排泄量が増し、水毒(むくみなど、体内の水分貯留)と冷えが改善される。
4 浮力の効果
腰痛や関節痛など痛みのある人の動作が容易になり、温熱による血行促進とあいまって、痛みやマヒの治療につながる。
5 免疫能の促進
白血球の働きが高まり、免疫力が増す。
6 内分泌(ホルモン)臓器の働きの促進
内分泌腺が温熱と血行促進により、その働きが増し、コーチゾール(副腎皮質ホルモン)、プロラクチン(脳下垂体ホルモン)、テストステロン(男性ホルモン)、エストロゲン(女性ホルモン)など種々のホルモンの分泌量が増す。
7 線溶能が高まる
血栓を溶かすために備わっているプラスミンという酵素が増え、線溶能(繊維素溶解能)を高めて、脳血栓、心筋梗塞を防ぐ。
8 快感ホルモン(βーエンドルフィン)の脳からの分泌が高まり陶然とした気分になる。
9 ガン予防
ガン細胞は、39・6度Cの熱に1週間以上さらされると死滅することは知られているが、奈良県立医大からも「44度Cに体細胞を加熱すると、ガンを抑制する遺伝子が活性化する」と発表されている。
10 糖尿病の予防・改善
入浴により代謝が高まり、血糖の燃焼がよくなる。
<熱い湯とぬるめの湯>
熱い湯 (42度C以上) 交感神経が働く 緊張する 入浴時間 10分以内 [適応 ] 胃潰瘍、胃酸過多、食欲の抑制に 寝起きの悪い人の朝風呂に
ぬるめの湯(38~41度C) 副交感神経が働く ゆったりする 入浴時間 20~30分 [適応] 高血圧、不眠症、ストレスの多い人、胃腸虚弱、食欲不振、バセドウ病に
<サウナ浴>
サウナ室内は、温度が90~100度Cと高温のため、サウナ浴の効能には次のようなものがある。
1 温熱刺激により、血管が拡張して、血液の循環もよくなり、内臓や筋肉への栄養補給がスムーズになり、老廃物も容易に除去されて健康になる。
2 大量の発汗により、水毒症状(むくみ、アレルギー疾患、こり、痛み、下痢、メニエル症候群、緑内障、、、)を改善する。
3 甲状腺の働きがよくなり、体全体の新陳代謝がよくなり、皮膚を柔らかく、美しくし、若返り効果を発揮
4 HSP(熱ショック・タンパク質)を増加させる。
{睡眠}
(熟睡のコツ)(石原)
深い睡眠は自然治癒力を高める。
病気の細胞・組織や日中の活動により傷んだ細胞・組織、消費された消化液や種々のホルモン、、、等々は、成長ホルモンやHS(熱ショック・タンパク質)の刺激や働きにより修復され、また、産生され、体の自然治癒力が高められる。
成長ホルモンは、運動(最低15分は必要)後、約3時間くらい分泌がつづく。
また、入眠して30分くらい経ち、ノンレム睡眠(深い眠り)につくと同時に成長ホルモンが分泌され、午前2時から3時にかけて最も分泌量が多くなる。
よって、夜更かしすると、成長ホルモンの恩恵が受けられなくなり、傷んだ細胞も修復されず、自然治癒力が低下し、種々の病気が発病したり、悪化していくことになる。夜12時前には必ず就寝することとし、深い睡眠ができるようにすることが健康増進、病気治療にとって、きわめて大切である。
1 早寝・早起きを心がける
朝の光を浴びて、体内時計を一日24時間にリセットすること、また、昼間にも最低15分の陽光を浴びることが、安眠ホルモンの産生分泌に不可欠である。
2 運動
日中、とくに午後から夕方にかけて、筋肉を使う運動(散歩やその他ののスポーツ)を行い、適度な疲れをもたらすことが肝要である。
3 入浴
就寝後、体温がスーッと下がる時に眠りに陥る。低体温の人は、この体温低下が起こらないので、不眠になる。よって、就寝30~60分前に入浴し体温を上げておくと、就寝後の体温低下=安眠がスムーズにいく。
4 生姜風呂、ニンニク風呂、塩風呂に入る
5 肝臓を温める就寝する時、ハラマキをするか、右の手の平を右上上腹部にあてて肝臓を温める。肝血流量をよくすると、安眠効果を発揮するセロトニンの原料となるLートリプトファンの肝臓での産生が高まる。
6 頭寒足熱を心がける
頭に血が昇った状態では、安眠できないので、頭寒足熱を心がける。それには
(1)冷却枕や、小豆やそばがら入りの枕を使う
(2)冬は湯たんぽを使う
7 シソの葉とネギのスープを飲む
8 シソの葉生姜湯を飲む
9 玉ネギか生姜を枕元に置く
10 房事
11 アルコール
(質のいい睡眠がもたらす三つの健康効果)(斎藤・実践編)
いい睡眠には三つの健康効果、、、
もっとも一般的な健康効果は、自律神経のバランスを整える効果です。、、、
二つ目の健康効果が、身体的ストレスからの解放です。
そして、もう一つの健康効果は、じつはこれが最大のものですが、免疫機能のアップです。
質のいい睡眠が免疫力を高めるのは、メラトニンというホルモンの分泌を促すからです。これには、胸腺を刺激し、免疫細胞であるT細胞」を成熟させる働きも含まれます。
(睡眠の質)(斎藤・実践編)
睡眠の質は「メラトニン」というホルモンの量で決まります。
私たちの睡眠と覚醒には「メラトニン」というホルモンが深く関わっており、メラトニンが出れば出るほど睡眠の質はよくなり、メラトニンの量が少ないと睡眠の質は低下します。
メラトニンが分泌される時間帯は夜の十時から深夜二時までの四時間。つまり、この時間帯にきちんと眠っていないとメラトニンが充分に分泌されなくなくなってしまうのです。、、、
メラトニンを出すためには、夜の十時から深夜二時まで、部屋を真っ暗にして眠ることが必要なのです。
(ガンにならない八つのルール)(安保)
1 心の不安やストレスに目を向ける
2 頑張りすぎの生き方を変える
3 息抜き・リラックスの方法を見つける
4 体を冷やさない工夫をする
5 暴飲暴食をやめて体にやさしい食事をする
6 有酸素運動を生活に取り入れる
7 笑いや感謝の気持ちを大事にする
8 生きがい・一生の楽しみ・目標を見つける
ここで意識してほしいのは優先順位です。八つのルールのすべてを守ることよりも、1から2,3,4、、、と順位の高い順に取り入れることは意識してください。
第6 参考図書
[基本書] 石原結實「病気は自然治癒力を高めて治す」(ナツメ社)
[関連書] 新谷弘実「自然免疫力をぐんぐん高める基本ワザ」(日東書院)
斎藤真嗣「体温を上げると健康になる」(サンマーク出版)
同 実践編
安保徹「人が病気になるたった二つの原因」(講談社)
小林弘幸「なぜ、「これ」は健康にいいのか」(サンマーク出版)
松生恒夫「腸管免疫力を高めて病気にならない生き方」(永岡書店)
鶴見隆史「酵素が免疫力を上げる!」永岡書店
主婦の友社編「免疫力がみるみるアップする100のコツ」主婦の友社
奥村康「免疫力を高める特効法101」主婦と生活社
南雲吉則「50歳を超えても30代に見える生き方」講談社
石井直方「筋肉革命」講談社
石原結實・渡会公治「筋肉を少しだけ鍛えれば、がん、糖尿病、高血圧は防げる」ナツメ社
山口創「皮膚という脳」東京書籍
星野泰三「星野式温熱リンパ球治療」メタモル出版
永野正史「帯状疱疹、肝炎、インフルエンザのウイルスには、これだ」ぶんぶん書房
菊谷豊彦「漢方DE元気百科」保険同人社
蓮村誠「毒を出す食 ためる食」PHP文庫
丸橋賢「心と体の不調は「歯」が原因だった!」PHP新書
岩田弘敏「五感健康法」岐阜新聞社
重松浩子「アロマテラピー基本講座」成美堂出版
甲田光雄「現代医学の盲点をつく」西会本部
中村仁一「大往生したけりゃ医療とかかわるな」幻冬社
おのころ心平「病気は才能」かんき出版
金沢和樹「まちがいだらけのサプリ」双葉社
[市民学] 五木寛之「きょう一日」(究極の五木メソッド55)徳間書店
ムラキ テルミ (DR.石原メソッド)「ガンは自宅で治す」KKロングセラーズ
田上幹樹「それは患者の責任です」NHK出版
中山武(ガンをなおす)「泉の会式玄米菜食」花伝社
外山滋比古「思考の整理学」筑摩書房
川喜田二郎「発想法」中公新書
同 「続・発想法」同
林田明大「真説・陽明学」三五館
名古忠行「市民学」法律文化社
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