市民本位の健康医療に向けて

市民学シリーズ vol.15 「オーダーメイド健康法」その3 年齢別健康法

2013年1月31日 by KISK事務局  


市民学シリーズ 「オーダーメイド健康法」その3

2012.12.18 定例会発表資料

健康医療市民会議代表 梶原 拓

オーダーメイド健康法(個別化健康法)

  1. 血液型別健康法
  2. 体質別健康法
  3. 年齢別健康法
  4. 男女別健康法

年齢別健康法

坪田一男「{不老不死!」の方法」(宝島社)

<50歳代のサバイバル>

死亡率 0・373%

第1位 悪性新生物(41・5%)

第2位 脳血管疾患(10・6%)

第3位 心疾患  (10・5%)

3位までの合計   62・6%

50歳代になると40歳代の2倍以上、30歳代に比べると5倍以上の死亡率となる。30人に1人は死ぬ確率だ。

50歳代になると悪性新生物の割合は40%を超えて断然トップに躍り出る。ここでは40歳代以上にこれに注意する必要がある。考え方としては、悪性新生物は交通事故とは違う。なにか誘因があって、危険因子があるから起きると考える。そういう考え方に立てば予防もできるし、早期の発見もできるというわけだ。

脳血管疾患と心疾患はともに動脈硬化から起きると考えられる。動物の本質は血管にあるという人もいるくらい血管の占める割合は大きい。動脈硬化は、・・・血管の内側に硬いしこりがどんどんできてきて血液の流れる通り道が狭くなってしまう感じである。これは動物性の脂肪や糖質をたくさんとり、運動せず、ストレスにさらされて生活していると数年もたたずにできてしまうといわれている。・・・日本人は欧米人に比べると動脈硬化の割合が少ないとはいえ、最近は急激に増加傾向にある。真剣にライフスタイルを見直す時期が50歳代といえるだろう。

・肥満を防ぐ

このためには毎日最低15分の運動をすること

食事は動物性脂肪を減らし、野菜、くだものをたくさん食べる。

食生活に自信がなければ、マルチビタミン、抗酸化剤で栄養を補給してバランスをとる。

・若く見えるように心がける。

人は自らの思うとおりの人間になるものだ、・・・自分は100年生きるなんて思っていると外見も若く見えるようになる。

・ストレスを減らす

ストレスはすべてのエージングの大敵だ。自分のストレスの元(ストレッサー)をしっかり認識してそれに対応する。・・・自分が一番何を気にして、何に反応しやすいのかを見ること。これがわかれば自分の頭で対応を考えることができる。

・十分な休養をとる。

もう十分に働いてきたんだから少し休んでもいいでしょう。・・・1日8時間以上の労働は50歳過ぎたら多すぎる。

<60歳代のサバイバル>

死亡率 0・917%

第1位 悪性新生物 (45・7%)

第2位 脳血管疾患 (11・9%)

第3位 心疾患   (10・9%)

3位までの合計   (68・5%)

死亡率はいっきょに40歳代の6倍以上となる。・・・平均寿命と比べたら、10~20年も損をすることになる。60歳代を乗り切ればガンの発生率が減少することと、いっきょに長寿の仲間入りへの切符が手に入ることだ。イメージとしては65歳の高齢者と105歳の高齢者では見た目が変わらない時代がすぐにやってくる。だからここでちょっとがんばろう。

明治32年(1892年)の死亡原因

第1位 肺炎および気管支炎

第2位 脳血管疾患

第3位 全結核

肺炎と結核はもうすでに過去のものとなっている。・・・

いまの1年は1900年代の10年分以上にあたると考えられる。10倍以上の速さで知識の蓄積と新しい技術の開発が行われていると考えていい。・・・

ガンがなくなれば平均寿命は3年、心臓疾患では10年以上、脳血管疾患では2年、糖尿病では1・4年、合計16・4歳も長くなる。60歳代のサバイバルではぜひここらへんの医学の進歩も視野に入れて健康を考えるのがいい。

もうひとつそろそろ考えておくことにHRT,ホルモン補充法がある。・・・基本的な考え方はエージングのかなりの部分がホルモンの減少によるから、これを補ってよろうというものだ。

ホルモンはエストロゲンのような女性ホルモンからテストステロンのような男性ホルモン、そして成長ホルモン、メラトニンのようなホルモンまでいろいろな種類がある。

<70歳代のサバイバル>

死亡率 2・192%

第1位 悪性新生物 (37・7%)

第2位 心疾患   (14・5%)

第3位 脳血管疾患 (14・3%)

3位までの合計   (66・5%)

死亡率は一気に2・1%までアップ。70歳代の10年間では約22万人の方が亡くなるので、このへんからサバイバルするぞという決意がますます必要になってくる。死亡原因を見てみると悪性新生物が37・7%と60歳代に比べて減少する。逆に心疾患と脳血管疾患が増えて、上位三つで66・5%を占め、割合はそう変わらない。

まずは悪性新生物に対しては検診が必要だろう。・・・さらにはストレスをなくして、抗酸化剤を摂取する。・・・ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCを毎日。・・・

心疾患に対しては、

1:動物性脂肪の摂取を少しずつ減らしていく

2:軽度の運動を毎日行う

のがいいだろう。心疾患でも、もし医師より運動のOKが出たらぜひ運動を毎日の生活に取り入れたい。三つの目的をもった運動。

1-ストレッチ

2-エアロビクス

3-筋力トレーニング

70歳になってももちろん筋肉は大切だ。使わなければ筋肉はあっという間に衰えてしまうので、筋力を保持することを心がける。筋力は最大筋力の80%くらいの力を出した時に増大するといわれる。例えばダンベルで鍛える・・・

アドバイス:まずは自信を持とう。周囲にお亡くなりになられる方などが出てきて、心配がつのる時機である。でも自分は「100歳まで元気だ」ということわ心底信じる。自分への信頼度を高める。・・・ストレスになるようなことは即刻ゴミ箱に捨てて毎日笑いながらごきげんに過ごすことだ。

<80歳代のサバイバル>

死亡率 6・86%

第1位 悪性新生物 (22・1%)

第2位 心疾患   (19・9%)

第3位 脳血管疾患 (17・6%)

この世代ではすでに平均年齢を超え、女性も80歳代中ごろで平均年齢を超える。エージングとしては一つの山を越えるというところだろう。・・・でも100歳エージングをねらう人は80歳代はまだ子どもである。親の世代はこのくらいが寿命だったが、今の時代は100歳時代になった、と頭と心に十分いい聞かせておく必要がある。そしてそれを具体的に行動に移す必要があるだろう。

1-早く寝て早く起きる。睡眠時間が長くとれないようなら軽い運動をしてメラトニンを服用する。

2-よく噛んで食べる。1回に50回は噛む。食事はのんびりと時間をかけてとる。

3-水分を多くとる。

4-怒らない。もう80歳代になってそんなに怒ることもないだろう。

5-あせらない。ゆっくりした気持ちで人生を送る。

6-ポジティブにチャレンジする。新しいことにチャレンジしよう。

7-読書を続ける。脳細胞は休ませないようにしていこう。

8-パートナーと褒めあう。友達とか家族とのきずながとても大切。

9-自分は好きなことを見極めて、それを続ける。仕事が好きな人は止めることはない。仕事が嫌いな人はやる必要はない。

10-外見はきれいに保つ。見た目がパリッとしている人のほうが長生きするといわれます。

満雄正「女40台からの<ずっと若い体>のつくり方」(三笠書房)

女性の一生を通じて、基礎代謝量がもっとも多い時期は14歳のころ(男性は16歳)。それ以降、基礎代謝の機能が低下し、基礎代謝量はどんどん落ちていきます。当然、基礎代謝量も下がります。体内で着々と老化が進め始めているのです。

基礎代謝量も減少、基礎代謝力の低下の大きな原因の一つに、加齢によって筋肉の力が衰え、筋肉の量が減ることがあります。・・・

石井直方「筋肉革命」(講談社)

私たちの筋肉のうち、足腰の筋肉は30歳以降から、年に0・5~1%のスピードで落ちていきます。これは10年で5~10%。70歳になる頃には、20歳代に比べて、約3分の2にまで筋肉は減少しているのです。

太もも、お尻、お腹や背中、すなわち足腰の筋肉は、元気な日常生活を送るために重要な筋肉ですが、その足腰の筋肉がいちばん老化の影響を受けやすく、70歳になる頃には、約半分にまで減ってしまいます。・・・

私たちが行ったさまざまな調査でも、高齢者が筋トレを行うことによって、筋力がアップするという結果が出ています。埼玉県「シルバー元気塾」の例では、1年間の筋トレ参加で平均6歳も足腰年齢が若返っていたのです。・・・

このように65歳を過ぎても、筋肉はトレーニングによってよもがえらせることができます。・・・

久保田競「脳活習慣」(海竜社)

30歳から60歳代に、脳には大きな変化が訪れます。それは、脳を働かせるためのカギを握る「最大酸素摂取量」の減少です。・・20台の初めにピーク。・・・

ランニングや水泳、エアロビクスなどの有酸素運動を積極的に行っていると、30歳ぐらいまでは最大酸素摂取量を高めることができます。・・・けれども、それが限界・・・。

だからといって、運動をすることに意味がないかというと、そんなことはもちろんありません。その年齢なりに最大酸素摂取量を高めるための運動をすれば、最大酸素摂取量は低下しても、酸素を体内に豊富に取り込むことができるので、脳の活性化に役立ちます。

「脳を鍛える」ための生活習慣(「脳活」習慣)

1日トータルで7時間の睡眠を確保する

規則正しい生活をする

脳にいい「ブレインフード」(カレー)を豊富に摂る

一時記憶にかかわるワーキングメモリーを鍛える

週に最低1時間は有酸素運動を行う

美しいものに触れ、感動する時間を持つ

自分の好きなことをして、脳を喜ばせる

鶴見隆史「酵素が免疫力を上げる」(永岡書店)

人の体は100万もの異なった化学反応を行う。60兆とも100兆ともいわれる数の細胞から構成されていますが、その反応すべてに関与しているのが酵素です。血圧を調整したり、血栓を取り除いて血管をきれいにしたり、思考したり、筋肉を動かすのにも酵素が関わっています。

外部から侵入してきたウイルスやがんの芽を攻撃し、健康を守る免疫機能も、酵素なくして働きをなしえません。病原体などの異物を食べる白血球の内部には酵素が待ち構えていて、捕らまえたウイルスなど、異物を分解するのも酵素だからです。自然治癒力、免疫力の要は酵素であるといっても過言ではないのです。

最近の研究では、体内に1万3000以上もの異なった種類の酵素が存在し、たんぱく質分解酵素だけでも9000種類以上が、さらに各細胞に3000種類以上、動脈内だけでも98種以上の酵素が存在していることがわかってきています。

ところが困ったことに年を取るに従って潜在酵素は次第に減少し、活性が低下していきます。シカゴのマイケル・リース病院のメイヤー博士たちは、老人と若者の唾液中の酵素を比較し、老人は酵素活性が若者の30分の1にまで落ちてしまうことを確かめました。ドイツのエカード博士も1200人の尿を採取し、尿に混ざっているアミラーゼが老人では若者の半分しか活性していなことを突き止めました。

老化とは体内酵素の衰弱そのものであり、生命活動をささえている酵素が力をなくせば、さまざまな障害を生じてくることは当たり前のことでもあるのです。・・・

酵素額的・1日の生理リズム<「ナチュラル・ハイジーン」理論>

1日の中では「朝起きて、昼に活動し、夜は眠る」という基本的なサイクルがありますが、体の生理リズムも同様で、人間には消化や代謝にそれぞれふさわしい時間がある。・・・酵素もそのように活動している。このリズムに反すると酵素の乱費となる。特に食べすぎは禁物。・・・

1 排泄の時間(午前4時~昼12時)

2 栄養補給と消化の時間(昼12時~午後8時)

3 吸収と代謝の時間(午後8時~午前4時)

<酵素を上手に摂るには>

何かを食べるときは、まず生野菜や果物などの酵素食から。

ジュースにする

おろす

よく噛む

このほか

ピクルス・漬物

納豆・生味噌・甘酒

などは、優秀な酵素の補給食品です。

「食べたあとに眠くなった」なら、酵素不足のサインです。

松生恒夫「腸管免疫力」を高めて病気にならない生き方」(永岡書店)

高齢化とともに腸内免疫力の低下・・・

腸管免疫力を高めるためにいちばん意識してとりたいのは「グルタミン」です。グルタミンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種で、私たちの身近にある食品では、生魚(なまざかな)、生肉、生卵、発芽大麦などに豊富に含まれています。

グルタミンの働き

1 小腸粘膜の最大のエネルギー源

2 大腸粘膜で2番目に重要なエネルギー源

3 リンパ球などの免疫細胞の発育と増殖を促して、免疫力を高める

4 抗うつ作用がある

5 傷口が治るのを促進する作用がある。

白澤卓二「「砂糖」をやめれば10歳若返る」(KKベストセラーズ)

そもそも、人間はアミノ酸由来のブドウ糖をエネルギー源とする回路と、脂肪酸由来のケトン体をエネルギー源とする回路、両方の回路を持っていて、炭水化物を主食としている現代人は、ブドウ糖をエネルギー源とする回路を中心に使っていただけではないか。

人は飢餓状態に陥ったときには、ケトン体というエネルギー源をつくっているわけです。

ケトン体はエネルギー効率がブドウ糖より非常にいいので、おそらく、狩猟民族を動かしていたのは、ケトン体回路だったのでしょう。

老化防止、病気予防になり、砂糖中毒(たんぱく質が糖化)からの脱却を助ける「ケトン食」ですが、現実に実行するのはなかなか難しい面があります。・・・

ケトン食の基本は炭水化物の摂取量を控え、質の良いたんぱく質をとることです。具体的にいえば、ごはん、パン、めん類など穀類、イモ類を控え、赤身の肉、魚介類、卵、大豆・大豆製品などでたんぱく質をとり、野菜、きのこ類、海藻類なども不足しないようにすることが大切です。

*50歳代以前は解糖系のエネルギー産生(ブドウ糖)(瞬発型)(無酸素型)、以降はミトコンドリア系エネルギー産生(ケトン体)(持続型)(有酸素型)へ転換するという。50歳代以降の食生活は炭水化物を控えること。

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