第4回 7月 定例会 報告
2009年2月4日 by KISK事務局
健康医療市民会議
第4回(7月)定例会の報告
(H20年7月15日 16-18時・国際医療福祉大学乃木坂ホール)
黒川 弘
1 梶原代表からの市民会議の経過報告
中間報告の資料に基づき経過説明。前回第3回のイベントプロデューサー山本寛斎氏の「元気主義万歳」と福岡明明徳会理事長の「統合医療歯科治療とOリングテスト」の講演のポイントの説明等の経過。「Oリングテスト教室」の受講希望者は事務局へ。地域会議第一号の長野県茅野市の信濃会議の紹介。医師不足対策の緊急提言を「医療改革懇談会(三者会)」で取りまとめたいが、会員の主体的活動が基本なので提案提言があれば事務局へ。市民・患者中心の情報拡大を目指す。統合医療の普及・実践の「日本トータルヘルス協会(「日本ヘルス協会」が名称変更)」の理事長に梶原代表が就任し、連携を一層強化。水素のサプリメント「水素の力」モニターの協力者募集。牛沢さんの通電式スキャナー、三分間で自己健康測定の動きの紹介。
2 講演「病院はどのように選んだら良いか」
河北総合病院長・日本医療機能評価機構専務理事代行・河北博文氏
医療の評価、病院の選び方は難しい問題だが各人が「相性のあう・家庭医」を持つこと大切。1医師が選ぶ医者 2研修医が整っている病院 3病院の機能を公開し、広報している病院等で「患者の自然の経過を大切にしている」「人間らしく生き、人間らしく死ぬ」ことを大切にする医師を。
杉並区の拠点。ISO14001の認定を我国一番に。
医療の定義は、40年前の武見会長時代は医学の社会的適用は医師中心の「知らしむべからず、依らしむべし」の雰囲気だったが、現代は「患者中心」で、主体は自己で、自己責任であり「自分の健康を支えてくれる」のが医療。61年の国民皆保険のとき、資本の奴隷にならないかとの意見もあったが、「医師の選択の自由」は大切。患者もモンスター批判家が多くなっておかしくなるようなことは避けるべきだ。医療提供の意味も昔は「貧困からの救済」だったが、現在は、池田さんが言われていた「人間らしく死ぬため、いかに良く生きるか」個人の尊厳が大切。健康医療のメッカのシカゴ大学で学んだHealthy Policyは51年から病院評価項目による評定制度あったが、「第三者評価が大切」。自主的に当事者達が集まり組織を造り評価することが大切。
第三者評価委員会は大切だが、日本ではどちらかというと 1同質性社会で、公平の考えはあるが、「公正」の考えに弱く、違いを認める考えに弱い、2科学性より経験重視の考えが強い、3マネジメントの考えに弱く、その日暮らし的な考えも多い。
その様な中で第三者評価の大切さとその実行組織を立ち上げるため、「理念を創り、資源(人 資金 情報)を考慮し、社会価値と評価項目の設定とそのための組織が大切と考え、日本医療機能評価機構を設立した。全国に8900の病院があり、97年から評価制度を発足させ、現在2500病院を認定している(全国では3500病院が評価に耐えられるか)。評価は530項目で1-5段階の評価をし、全て3以上を認定している。
機構の評価機能は1 病院の自己申告を受け、書面審査と2泊3日の訪問現地調査で判定している。医療中に問題が出た場合に病院従事者が参加しての話合いで、更に改善がなされる組織や従業員意識のある病院は非常に評価が高まる。2 更に医療事故の収集、分析、公表の制度を目指す。3 また医療行為の標準化とそのフォローアップの制度化も目指す。これにより医療事故の確率を引下げることを目指したい。
産業革命による評価制度やオートメ化、不良品の抽出、工程の改善で結果も良くなる。これらの全体の改善とあわせて、市民や患者が「家庭医」を持つことが大切。
「病院医療の崩壊」といわれるが、医療や医師に魅力があるものにすることが大切。初期研修、後期研修を科別で充実し、受講者が専門医を主張できる制度化も大切。業務独占資格者、救急従事者等の活用や「家庭医」育成も大切。初期診療にあわせ、「在宅医療」の充実も大切。などなど熱弁で会場を魅惑された素晴らしい講演でした。
3 名名シリーズ講演「統合医療の実践」
東京女子大付属青山女性・自然医療研究所クリニック所長・川嶋朗氏
03年東京女子医大に日本の大学で初の統合医療実践施設が開設され相補・代替医療の
実践の開始。初診は6月以上待ちの状態。説明に入り、西洋医学が治療の中心になって
いるが、生活保障、精神的対応に弱い面もある。病気の診断にあわせ、人間対応が大切。
相補・代替医療、高齢化社会モデルの医療費対応等総合的に対応。「統合医療」とは広くは
「個人の年齢差、性別、性格、生活環境、さらに個人がどう歩み、どう死んでいくか迄
を考え、西洋医学、相補・代替医療を問わず、あらゆる療法からその個人にあったもの
を見つけ、提供する受診者主体の医療」であるとされる。
治療と予防。各国の伝統医学、現代医学対応のアロマセラピーの各種方法 業間療法
の断食や日本食等、サプリメント、心身相関療法に触れられ、次いで米国、英国、ドイツ、フランス、ロシア、オーストラリアの研究の方向、手かざし、鍼灸、家庭医制度等や日本のCAM研究の歴史と現状についても御説明。日本の伝統的療法や予防法が外国の研究を通じて別名の外来療法として入ってくる動きもあり、鍼灸、日本食、断食、自然山間薬草等の先行的な研究と評価と位置づけなどが大切とされる。
日本の統合医療を巡る問題点として 1 定義が無い 2 実証の全体表示が少ない 3 評価機関がない 4 不適切と思われるものも多い 5 交流の場が殆ど無い 等を指摘された。
対応策としては、ガイドラインの作成、110番制度創設、マスメディアの積極的勉強支援、 相互交流の場の設定等の将来への対応強化を指摘された。また代替医療も標準化が必要と。
具体的診断は、初診1時間、再診30分。男性は仕事終了後の方多く、女性は若い人多い。
現在は9-12月待ちの状態。診察は、ふらつき、下痢、むくみ、貧血の状況から始まって生活のあらゆる状態を聴いて判断する。多くの具体的診断事例も挙げて分りやすく御報告。
代替医療で問題の有るものの見分け方としては 1 これをやれば絶対に治る 2 他の療法を頭ごなしに否定する 3 法外な料金を請求する ものは疑ってかかる必要がある。
全体として非常に分りやすい、皆が考えさせられる素晴らしい講演でした。
講演の始まる前と休憩時間には「メタボリック予防の楽しく気軽に健康チェック」の健康測定器による実演が会場入口で行なわれ多くの入場者がチャレンジ。健康づくりの三大要素は「適度な運動と正しい食生活、さらにストレスに負けない心と体をつくる」正しい生活習慣だと指導をうけました。
次回8月19日(火)の第五回定例会は、小川真誠・日本心身機能活性療法指導士会理事長の「認知症は治る」の御講演です。
以上
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