第6回 9月 定例会 報告
2009年2月4日 by KISK事務局
第六回(9月)健康医療市民会議定例会メモ
H20年9月16日(火)16-18時
国際医療福祉大学大学院東京サテライトキャンパス(南青山一丁目)
1 梶原代表から市民会議の経過報告
中間報告の資料に基づき説明。①毎回の講演会講師はボランティアでお願いとし、本日の講師田中雅嗣氏と鈴木志津夫氏紹介。②「医療改革懇談会(三者会)」の意見交換の成果を基に患者・市民の立場で「医師不足対策緊急提言」をまとめ、舛添厚労相、鈴木文科相に提出。さらに行動したい。特に「メデイカルスクール(多様な学士が入学する実践的臨床医の養成機関)」の設置を働きかけたい。③安易な市場任せでなく、会員の体験的エビデンスで評価できるサプリメント等は推薦普及を図りたい。現在水素系のものをモニター中である。④健康医療関係の会合の資料等があれば例会で配布する。
2 講演「長寿のしくみ・ミトコンドリアと健康」
田中雅嗣・東京都老人総合研究所 健康長寿ゲノム探索・研究部長
名古屋大学にいたときから健康長寿の一卵性双生児「金さん107歳 銀さん108歳」当時103歳等の近隣の高齢者の協力で長寿遺伝子の比較研究を始めた。一卵性だと誤差1%。ニック・レーン著「ミトコンドリアが進化を決めた」の翻訳を意図したが斎藤隆央氏が先に翻訳(みすず書房)。細胞核の遺伝子とミトコンドリアの遺伝子を研究。細胞核の男性の46染色体のY染色体は息子に遺伝するが、ミトコンドリアのDNAは男性には伝わらず必ず母系でのみ継承。ミトコンドリアは細胞内の発電所。核の外だが細胞にエネルギーを補給。水の分解やCO2の反応等で対応。酸化酵素も作用。ミトコンドリアのゲノムは37種類。この設計図で発電所を作るが活性酸素の攻撃が老化原因に。多型のうち長寿に良い遺伝子を研究。ラジカルを捕捉するアミノ酸の研究も。加齢で酸素活性を防御できなくなる異常で老化が。遺伝子の機能維持が大切。脂質過酸化の防止にはカロリーの控えめが大切。痩せ型のDNAを持つミトコンドリアは活性酸素少ない。この維持が幹細胞の維持にも。コーヒーは有効。ミトコンドリアの遺伝子の調査で現人類は母系を通じ20万年前のアフリカの一人の女性から出発した。インド7万年前。アフリカL型、ヨーロッパN型、アジアM型。古モンゴロイド縄文1万年前黒潮南方系、新モンゴロイド弥生2900年前中国朝鮮から、日本人は6万年前の9人の母から分岐。自分はM7a系沖縄や飛騨高山に多い。細胞核の大規模関連解析の調査では、母の体質、父の体質を受け、AからEの区分ができ、Eは心筋梗塞、Dは脳梗塞に弱いといわれる。マーカーで調べ、遺伝子の体質に基づいた科学的アドバイスが出来る。非常に専門的で具体的にグラフや図表を使い、意欲のある楽しい雰囲気の御講演でした。会場の質問「どのようにして検査するのか。板橋区のアルツハイマー検査の動きは」に。「簡単、唾液を検査会社に送る。巷では心筋梗塞や脳梗塞等の1項目数万円費用。「ジーアンドジー・サイエンス」等全国に100箇所余ある。クリニックでは唾液と血液の検査で体質や血液の脂質に応じたアドバイスが。ミトコンドリアの遺伝子の分析は16000文字だがほぼ終った。細胞核の遺伝子は60億文字だが、慶応大学等で研究中。米国は2012年に1000ドルで全てを検査できることを目標に研究中。タバコはよくない。酒はコップ一杯の晩酌はよい。アルツハイマー対策は、人付き合いを良くし、脳を活性化することが大切」と。難しくかつ全員が興味のある話題へ平明な御講演に満場の大拍手。
<<言葉補注・未定稿。病気の解明には遺伝子、特に我々の「生命の設計図」であるゲノムの解明が大切。ゲノムとは遺伝子の暗号で物質的にはDNAと呼ばれる。人間は1受精卵の分裂で同じDNAの60兆個の細胞の身体に。我々の体には30億の遺伝暗号があり、それが「生命の設計図」ゲノムとなる。遺伝暗号文はAアデニン・Gグアニン・Cシトシン・Tチミンの四種のみ。この四種類の暗号が30億個並ぶ情報がゲノムの上に乗る。「遺伝子」はその一区画のこと。ヒトの場合10万種類の遺伝子、10万の工場がある。遺伝子は「どの蛋白をいつどこでどれだけ」作るかの情報を持ち、必要なとき必要な細胞にだけ必要な蛋白質だけを作らせる。これにより脳心臓骨等の違う種類の細胞ができる。10万種類が解明できれば病気の原因も判明。病気の原因はこの「遺伝子」のほかストレス等の「環境要因」がある。
細胞の中には丸い細胞核がありその中にはDNAが折りたたまれて格納されている。さらに細胞内にはこれとは別の楕円形の粒子ミトコンドリア(ギリシャ語で「綾なす微粒子」)が多数散在し共存している。誰の身体にも存在するミトコンドリアは細胞に寄生した相互互恵の別の生命体である。そしてミトコンドリアは、生命の本質、つまりその酸化によってエネルギー(ATP)を産生し我々の細胞に供給する粒子であり、一方我々の細胞は体内でそれを守り必要な全ての栄養を分け与える。我々の卵子と精子が合体するとき、精子からは細胞核のゲノムDNAのみが卵子の中に入りミトコンドリア固有のDNAは排除される。したがって新たにできた受精卵の内部のミトコンドリアは全て母系由来のものである。したがってミトコンドリアのDNAを分析するとその人間の出自をたどることができる。こうして20万年前にアフリカにいたただ一人の女性からすべての現人類が由来したと判明。白色、黒色人種も元はただ一人の女性の子孫である。一方ミトコンドリアは細胞内のエネルギー生産工場であるがゆえに、常に活性酸素にさらされる。活性酸素は両刃の剣として時にミトコンドリアDNAを傷つける。これが主要な老化原因となる。
老化の原因は体の中に過酸化脂肪が増えること。過酸化脂肪とは脂質の成分である不飽和脂肪酸に酸素が余分に付いたもの。混合のみではなく、活性化反応で生じる。不飽和脂肪酸に光があたると水素がとれて、反応性の強い「フリーラジカル」が生成。これが酸素と反応。細胞内でミトコンドリアが呼吸するとき酸素の2-3%が活性酸素に変わり、脂質過酸化を起す。これが老化の主原因。水素を与えれば止まる。水素を与えるのが「抗酸化剤」。>>
3 講演「TM瞑想法入門」
鈴木志津夫・マハリシ総合研究所代表
TM瞑想とはTranscendental Meditation 日本語では「超越瞑想」。50年前インドのマハリシ・マヘーシュ・ヨーギにより世界に紹介。現在米国、欧州等60国で600万人が参加。人類でも一番古い5000年以前のものを現代に判りやすく簡単に紹介。マハリシとは偉大、賢者の意味。瞑想方法は ①体を楽にする、楽に座る等。②目を閉じる、全て閉じる。
③キーワード(マントラ)を心の中で唱える。波動が伝わる。④一日二回、朝夕20分朝食前と夕食前に。これを続ける。マントラは個人指導師からもらう。その人に合った波動の言葉を。4歳から大丈夫。10-19歳は10分。この瞑想の超越意識は、自然法の統一場アートマー、無や空、老子の道タオ、絶対意識、プラトンの宇宙の根源イデア、Something Great、等々と類似。科学的研究が600以上発表。各種の検査統計の比較表で詳細に御説明。瞑想中は睡眠以上に酸素消費量が急激に減少し休息状態に(これが大切)。血液中の乳酸塩(疲労物質)濃度減少。コレステロール減少。不安感減少。不眠症の改善。最高血圧の低下。血圧の安定化に米国の公衆衛生研究所が助成。西洋医学と代替医療の統合の考えに適用される。三年後確率でも若さの維持、老化の逆転、寿命の延長が。日本でも6万人が住友重機、京セラ、銀座松屋を含め全国で実行。学校で実施した検証も。脳の動きの活性化、α波が出てくる、脳の血流がよくなる、右脳と左脳の連携、モラル向上、偏差値よい、Creative能力向上、記憶力向上、学業、思考力向上等の比較図面の説明が。特に自己実現や道徳観念の向上が特徴。若い世代の道徳律大切。大学の研究で米国アイオア大学では服装がよくなり、10時消灯、早朝瞑想が。自立神経系のバランスがよくなる。日本の瞑想研修施設では那須塩原の「ヴェーダの森 那須」ホテル風。島根県のインド風の施設等の紹介。TM瞑想で、自己が至福で満たされる。食欲、各臓器の機能の正常化、排泄機能が調う、我見、心と五感が至福に満たされる。アーユルベーダー(医学の完全知識)が健康に大切。日々の成果として瞑想による免疫機能の増強。右脳と左脳の「機能の穴」アンバランスの解消。釈尊は「座して自分を調え 立って人に尽くす」と同様の考え。鎌倉時代の忍性もライ病患者を生活させ、飢饉には給食活動。瞑想マントラによる健康管理の素晴らしさを科学的データーを使い判りやすく御説明。会場の質問「キーワードは例えばどんなものか。水面の渦に吸い込まれる様なイメージか。鈴木先生のマントラは。自己睡眠と類似か。マントラを授かる方法は」。答え「マントラの言葉は、数千年の深遠な方の智慧の中から古代の方法に基づいて個人に合ったものを撰んでお伝えする。イメージトレーニングとは違う。イメージも持たない。この言葉の波動で表層の意識を超越する。自己のマントラは人に語ってはいけない。自己催眠ではない、TMは何かを目指すのではなく、手続きで、その実行で宇宙意識に達し環境から最大のものを引出す。自然に生命力の影響がでて、心身が改善される。自然の成果だ。本部は那須塩原。東京、札幌他全国27のセンターがあり問合せを(資料配布)。東京では金曜日に説明会。その後那須で4日間の瞑想法の習得と検証が」。等々。こんな身近な方法で、奥底の意識に到達するテクニックがあり、心の休息と体の休息で生理状態が正常になり、我々の本来の質が活性化し、健康や良い人間関係が築かれ、仕事もうまくいき、幸せの輪が広がるとの御説明にみんな感激し拍手喝采。次の本の紹介もありました。
○「四歳から経営者までのTM瞑想」畠中茂樹著 総合出版
講演前と休息時間には、生活習慣病「予備群」度、脳年齢、ストレス度/血管年齢の測定に多数の会員がチャレンジ。
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