第7回 10月 定例会 報告
2009年2月4日 by KISK事務局
第七回(10月)健康医療市民会議定例会メモ
H20年10月21日16-18時
国際医療福祉大学大学院東京サテライトキャンパス(南青山一丁目)
1 梶原代表から市民会議の経過説明等
中間報告の資料等に基づき説明。①準備会の講演を含めると丁度一年の活動となる。この定例会の第一回の講師をして頂いた武藤徹一郎先生が長く院長をされていた(現名誉院長)がん研有明病院が2008年「朝日がん大賞」受賞。おめでとう御座いますと御出席の先生を紹介。②第五回の講師小川真誠先生の「認知症は治る」の三箇月治療の上海での活動の波紋から、上海や台湾台南市での旅行滞在コース開始の勧誘等の動きがあり、日本でも御殿場市での活動開始。某女優さんの治療を支援する動きも。③今回は代表自らが五年前選択し前立腺がんを治療した平尾泰男先生の「重粒子線がん治療」のお話と塩谷信幸先生の若返り術のお話、次回11月は統合医療実践のパイオニア帯津良一先生と自然医学の大沼善誉先生の実証例のお話をとの紹介。④12月は懇親会とし、来年からは講師のお話や意見交換の時間を確保するため、定例会の講師は原則一人としたい。⑤最近の食料の安全の社会問題を見ても、市民自身の勉強が大切で、現在会員に20名のモニターをやっていただいている水素系のサプリメントは一名(全く元気で問題ない方)を除き全員の方が効果あると評価していただいた。また本日、足裏の健足療法の低周波治療器のデモンストレーションとモニターを募集しているので関心のある方は対応を。その他の項目の事業計画は次回提出したい。⑥また患者や治療医に患者の体験談を集約整理し、データーベース化して提供する国際組織(英国オックスフォード大学発)の日本活動「DIPEx-Japan」を立ち上げる活動があり、連携を検討したい(その後スタッフの「佐久間りかさん」から前立腺がん、乳がんからまず立上げ09年6月に提供を開始するための現在の活動状況の紹介があり、市民会議の紹介の方もこの「語り」に参加されるとの報告が)。
2 講演「世界最先端技術・重粒子線によるがん治療」
平尾泰男・独立行政法人放射線医療総合研究所・名誉研究員
重粒子線治療の研究ですが、私は原子物理学者です。戦後米軍が原子物理関係の研究を探しまわっていた時からですので、60年の研究になります。核物理の研究には加速器が必要です。物理学的研究と、医療的研究がありますが後者を優先して研究しました。世界では1936&7年から研究が始まりましたが、戦後46年ロバートウイルソンが陽子重粒子の応用の研究、61年ハーバード大学が陽子ガン治療、73年バークレー校でネオンガン治療の研究をはじめたが、機器の質が必ずしも良くないので、日本でやろうということで、77年平尾先生、79年平野先生、81年梅垣先生等が研究を始められ、83年筑波大学で陽子線治療開始。83年中曽根内閣が対ガン10ヵ年総合戦略を策定し新治療法の開発に科学技術庁が力を入れた。実施を放射線総合研究所にやらせると言うことで東大を退職し千葉に移転した。87年重粒子ガン治療機器の設置に取組み93年完成。陽子からアルゴンまでの放射線で30cm深度までの可能。94年世界初の重粒子線がん治療装置HIMACを用いた臨床試験で14年間で4000以上の治療例が得られている。97年重粒子医科学センター病院開設。世界で稼動しているのは放射研と兵庫県とドイツの三箇所です。日本ではガンで30万人死亡、2015年には50万人とされていますが、目標は死亡率を下げることで、肺がんや肝臓がんなどや手術の難しい骨移転や悪性黒色腫の治療も目指している。そして多くの臨床実験の治療前と治療経過の写真を示しながら放射線の種類による試験結果などを数値で示して肝臓がん、肺がん、目のがん、悪性黒色腫、前立腺がん、骨肉腫等の例を丁寧に御説明されました。また治療日数と照射回数の組合せや一回4門照射などの病院滞在時間の改善例も示されました。会場からの「治療費は」との質問に「車一台分314万円。高い安いの議論あるが、政党や役所にも理解を求めていくことは大切」とされ、満場の拍手で締めくくられました。
<<言葉補注 放射線治療には症状に応じ「X線・γ線治療」「陽子線治療」「速中性子線治療」「重粒子線治療」があり、「重粒子線」とは広義には電子より重い粒子を加速器で高速に加速したものをいい、さらに「中性子線(病巣への集中度が良い)」「陽子線(ガン細胞への致死効果が高い)」「重イオン(炭素 ネオン アルゴン等)線(病巣への集中度、ガン細胞致死効果が高い)」に分けられ、それぞれ固有の特徴を持つ。HIMAC・Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba ではHe C N O Ne Si Arが加速できるが特に炭素イオンCが主として利用されている。ガン細胞の位置、大きさ、形状に合わせて集中的に照射する治療法>>
3 講演「アンチエイジングのすすめ」塩谷信幸・北里大学名誉教授・ACCクリニック
名誉院長・NPOアンチエイジングネットワーク理事長・日本抗加齢医学会顧問
長寿の秘訣は、まず「バランスのよい食事と適度の運動」が大切。父は100歳で玄米と菜食。外科医の定年に関し「ザウエルブルッフの悲劇」(昔のドイツの話。ザウエルブルッフは名外科医だったが年を取ってボケて手術の失敗を重ねた)を例に年齢で判断力や智慧は上昇しても名声が上ったら注意を、と。年齢には、「暦年齢」と「生物学的年齢」がある。病気予防、社会性、判断力と体力に注意することが大切。平均寿命は男性78-9歳、女性85-6歳。女性はストレスに強く、不要物の排泄力強い。老化防止は今からでも遅くない。プライドが邪魔。全て自己の責任であり、頑張れば半年で改善。反復練習は必要。クオリティーオブライフは「生甲斐を持ち、人に役立つこと」をすること。
「老化の原因」には、細胞時計説 内分泌説(ホルモン低下) 免疫機能低下説 DNA損傷説 活性酸素説等様々。皮膚の若返りは適度の運動、エアロビック運動20-30分週4-5日、食事70歳1800cal、水分も多めに、サプリメントでビタミンB6、葉酸、B12、C、E。ミネラル鉄、Ca ホルモン剤等の補給に注意。また発汗、解毒、マイナスイオン、排泄も大切。男性にも更年期障害。皮膚の老化は、紫外線等の光老化・フリーラジカル・皮膚の乾燥・皮膚の非薄化が主原因。スキンケア、鍼と灸、コラーゲン等々の御説明。
アンチエイジングは統合医療そのもの。美しく楽しく生甲斐のある人生を目指そう。
最後に、NPO法人の「アンチエイジングの五箇条」の御披露がありました。
1いくつになっても男と女
2肌の若返りは心の若返り
3バランスの良い食事と適度の運動
4よく笑い、よく話し、よく噛む
5長生きこそ最大の誇り
会員最大の関心の若返りの秘訣に、女性会員も男性会員も大喝采。次の書籍の紹介もありました。
○ 「アンチエイジングのすすめ―1年で10歳若返る」塩谷信幸著 幻冬社
◎講演前には血管年齢、脳年齢などの健康測定器に多くの会員がチャレンジ。今回は、講演の合間に梶原代表から各部門の最優秀者に、代表自身の嗜好品「ちこり芋の高級焼酎(アンディーヴ・グラッパ)」がプレゼントされ、満場の大拍手。良好な自律神経賞は山中暁夫さん、若い脳年齢賞は宮本悠美子さん、若い肌賞は82歳の高賀登さんが受賞されました。おめでとう御座います。凄いですね。みんな見習いましょう。
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